裁判傍聴 -セクハラ大学総長の栄光と転落-
話題になった都内某大学元総長の強制わいせつ事件、3月18日(火)に行われた初公判の傍聴録。満員の傍聴席。元総長は入廷する早々、その満員の傍聴席を見て動揺が隠せない様子。はじめての公判で初めて経験する最大の屈辱。去年まで頂点にいた男が、今は犯罪者として見せ物になっているわけだから。前総長は「間違いございません」と起訴事実を素直に認めた。逮捕時はあんだけ否定していたのに・・・、今日はあっけなく、罪を認めていた。裁判長の「職業は?」の質問に「無職です」と即答した元総長。以下、検察官の冒頭陳述より抜粋。(実際の陳述書とは表現の相違ありますことをご了承ください)被告人(元大学総長)は総長という絶対的地位に立ち、ワンマン経営で、自分に逆らうもの、気に入らない者に対しては、人前であっても罵倒・罵声をあびせたりして、職員達の間ではかなり恐れられていた存在であった。そして逆らうことのできない存在であった。同大学の総長室は約100平方メートルあり、そこにはシャワー室、ベッドルームまでもが完備されていて、性交用器具、性機能改善薬、避妊具なども置かれていた。(NOVAの社長室と比べると、どっちが豪華なんだろう・・・。) 今回は被害者A,Bへの強制わいせつ罪の審理。(他にも余罪があり、それも訴えられている)被害者Aに対しては「あなたは寂しいはずだ」と英語で総長室に誘い出し、わいせつ行為におよぶ。Aは怖くなり途中で逃げ出す。被害者B(20代の既婚女性職員)に対しては、『タバコを吸っているのは夫婦生活がうまくいっていないからだ・・・』『愛人にできるかもしれない・・・』と勝手に思い込み、「僕が守ってあげるから!」「結婚している方が都合がいい!」などと言って、総長室でわいせつ行為におよぶ。Bも途中でうまく切り抜けて逃げだした。両被害者とも、後日、大学を退職。いまだに、元総長の悪夢にうなされているという。被害者Bには口止めの意味で、賞与名目で退職金に100万円を上乗せし、手紙や物品も送っていた。以上冒頭陳述の抜粋。この手錠をかけられた元総長は、法廷ではものすごく、弱々しく、小さくなっていた。痛々しかった。つい最近まではワンマン経営で高い地位に着き、やりたい放題で、下の人間達にも恐れられていた、絶対的権力者だったのに・・・。あの姿を、職員達が見たらどう思うだろう。”ざまーみろ!” と思うのか、”痛々しい・・・” と思うのか・・・。もし私がここの職員だったら、”痛々しい”と感じるだろう。”できればそんな姿は見たくなかった”と・・・。 結論と教訓ワンマン経営者とは、考え方もひとりよがりで、ワンマンだ! 意味はないけど、裁判所近くにある日比谷公園。春の陽射しを浴びた公園は気持ちよかった。