「隠蔽捜査」今野敏
今日は、昔の上司が退職するのでその送別会に参加。電車通勤でした。1冊読了。【内容情報】(「BOOK」データベースより)竜崎伸也は、警察官僚である。現在は警察庁長官官房でマスコミ対策を担っている。その朴念仁ぶりに、周囲は“変人”という称号を与えた。だが彼はこう考えていた。エリートは、国家を守るため、身を捧げるべきだ。私はそれに従って生きているにすぎない、と。組織を揺るがす連続殺人事件に、竜崎は真正面から対決してゆく。警察小説の歴史を変えた、吉川英治文学新人賞受賞作。 ---ある意味、警察への挑戦?ともいえるべき警察小説。それだけ、警察の内情について赤裸々に記されている。もちろんフィクションなんでしょうが、読み手は現実の警察社会と混同してしまう。実際の警察官の方は、どう感じるのだろう。ある事件の対応をめぐって、奔走する竜崎。竜崎がやっていることは、先日、危機管理の研修を受けたけれど、まさにそのとおり。その時聞いたのはこんな話。●組織(会社)の保身のために、ある一部の人間が行うことそれが結果的には組織を滅ぼすこともある。●会社の常識は社会の非常識●情報は小出しにしない。正直に持っている情報を速やかに提供する。竜崎もまさに、上のような姿勢で警察の危機を乗り越えていく。そして、急に訪れた家族の危機も。組織の中で働くこと、部下や上司つのつきあい方、仕事と家庭の両立、正直であること。警察だけでなく、働く人間にとって有効な、いろんなエッセンスがつまった小説でした。印象的だったこと・主人公の竜崎は、「仕事」と言わず、「役目」「役割」という。それだけ、目的意識を持って仕事に取り組めることって素敵だ。たまたま、今日の飲み会で、上司からも言われた。部下にいつも言っていることがある。ただ、生活のために働くのではなく、喜びを持って働いて欲しいと・・・。難しいことだけれど、そうなれるといいな。