◆経済・散々のチャイナ
●米国で進んでいた 中国との高速鉄道プロジェクトが頓挫した。ラスベガス起点にロスアンゼルスまでの路線を、米中の民間企業が合弁で計画していたが、結局 米国側は撤回した。理由はいくつもあるだろうが、結局のところ信頼できないという事だろう。●中国の高速鉄道プロジェクトは、このところ相次いで破綻してる。チャベス時代に合意したベネズエラ高速鉄道プロジェクトは、原油価格下落とともに立ち消え、すでに中国企業は引き上げた。それ以前メキシコでの計画も透明性などの懸念から撤回された。中国は賠償を要求してるらしいが。●唯一 ジャワ島で日本から奪い取ったはずのインドネシア高速鉄道も怪しいもんだ。サミットに合わせて訪日したジョコ大統領は、ジャワ島横断鉄道建設プロジェクトを正式に日本に要請した。どうも中国の高速鉄道計画が、指定期間の3年以内にできそうもなく、地震対策も不確かで、計画案自体を振り出しに戻す布石にも見えるよね?フィリッピンやベネズエラでの中国の無責任さを痛感してるようにも見える。●日本に要請した計画では、予算は 既存の鉄道網を繋いで改良するもので、高速鉄道ほどではないが、それでも2000億円強。インドネシアのニーズには、よほど沿っている計画に見える。新港の開発等も確か日本が2500億円?位で請け負ってるので、そのインフラ整備は、かなり日本がやってるよね?●タイでは、中国の当初計画が袖にされて、計画は3分の1に縮小され、中国資金は使わない方針で、中国・タイ間の高速鉄道接続はなくなった。マレーシア・シンガポール高速鉄道はこれから日中間で争われるが、中国の目指す自国中心の野望は半分は潰えたようだ。●サミットで安倍首相が、経済危機を訴え、各国首脳からはそこまで危機ではない?とまで言われたが、実のところ中国のハードランディングは、安倍首相が言った通りかもしれない。●中国の経済は、いま散々だ。資金が流出して元安防止のため外貨準備がどんどん減っている。ドルを売って元を買い戻してるわけだ。通貨安・通貨危機に繋がる不安さえ現実のものだ。民間債務がバブル期の日本をすでに超えて、GDPの200%以上・2300兆円にまでなっている。日本は政府債務は大きいが、民間債務は160%台だし、政府債務とて政府資産を差し引けば実質債務はそれほどでもない。日本国債が暴落しない所以でもある。●中国を筆頭に、香港・オーストラリア・カナダ・スウェーデン・ノルウェー?・韓国などが、対GDP民間債務が200%前後で、米大手経済誌は数年内のデフォルトさえ予測している。現実化すれば、安倍首相の言う通りになるのだ。消費税の引き上げ先送りの根拠だけとは言えない中国の実態なのだ。●中国の王キ外相が、最近理性を失ってるとの評判だ。経済の国内事情を補うはずの。対外強硬姿勢がすべて外れ、フィリッピンの国際仲裁裁判所の判決もおそらく中国の負けだろう。南シナ海になんとEUが 監視艦隊を派遣する検討に入ったなど、域内周辺各国の中国包囲網が構築されて、こぶしを振り上げたものの落としどころがなくなってるのが今の実情だろう。●唯一経済の好調が共産党独裁の担保だったが、それも怪しげで、対外強硬姿勢の国内目くらまし策が外れれば、よって立つ基盤が無くなってしまうのが習近平政権だからだ。●すでに製造大国としての立ち位置はベトナムに移り、製造強国としての技術や、それを支える企業の成熟も怪しげだ。政府が旗を振る、国営企業が中心のゾンビ企業淘汰も、失業者の急増を恐れる地方政府がネックとなり、遅々として進まない。●消費市場が育たず、国内の不動産投資に偏った中国の経済は、まさに破たんに向かってるとは、あの大前研一氏の話。現実化すれば、リーマンショック以上に日本には影響があるのだ。安倍首相のサミットでの危機認識が杞憂であり、消費税対策の話であったなら幸いだが・・さて?