◆まだまだ健在・日本のアセアンへの影響力
●中国経済が成長して、東南アジアのへ影響力が増しているが、日本の影響力も捨てたもんじゃない。先日,日本の衛星・みちびき2号機が打ち上げられ、米GPSとの併用で、誤差6cmの位置情報サービスが可能となった。従来ではカーナビなんかで経験するが、ややずれてる感じもあったのが、これでほぼ正確な位置情報が得られるようになった。来年春中にはあと2機の打ち上げと最終的には20年度までに7機体制に発展するようだ。4機あれば必ず1機は日本の上空にいて、ビルの谷間さえ物ともせず把握できるそうだ。●用途は無限だ。当然安全保障・いわゆる軍事目的に使えるし、今回国策で、日立造船・デンソー・日本政策投資銀行など5社が、アジアオセアニア地域の位置情報サービスの展開を図るべく新会社を立ち上げる。自動運転や交通渋滞、農機の無人走行 道案内など可能性は無限に広がる。●これらの情報をタイやベトナムで受信すれば、交通管制が楽になり深刻な渋滞が緩和されるだろう。オーストラリアでは農地の無人走行だ。40cmの畝の間に30㎝幅のタイヤを正確に走らせることが可能になる。種まき 肥料散布が自動化できる。●30年代初めに政府は24兆円規模の宇宙産業育成を目指しており。官民連携の衛星データビジネスが進みそうだ。●また、国土交通省は、アセアン10か国と商品を低温で運ぶ、物流網を構築する。保冷から輸送のルールを標準化して提供するそうだ。アジアでは新鮮な食品が、経済成長とともに好まれるようになっており、日本製の食品を広めるには必要なインフラだからだ。ガイドラインを現地政府と輸送事業者向けに作り、各国が法制化や輸送指針を整備、コールドチェーンと言う低温物流網を各国に築くことを目指している。●食品はスーパー・外食店・コンビニなどへ温度を細かく管理したうえで運ばれるわけだが、日本では商品ごとに細かく管理されており、今後この方式をアセアン各国に普及させたい考えだ。域内人口は6億2000万人もあり、この10年で貿易額も10%増えた。フィリッピン・インドネシア政府とは、国交省がヤマト運輸のクール宅急便技術を売り込んでおり、この分野は日本の規格が標準になりそうだ。●中国の国力が大きくなってきてるが、民生の分野でのノウハウは、まだまだ日本に及ばない。ここで紹介の二つの技術は、アジアの民政にとって有益で、日本にとっても有益だ。どんどん進めて日本の発言力を高めていただきたいものだね。