◆いつから有事の円になったのか?
●北朝鮮のミサイルが進歩して韓半島の危機が続いている。かつては戦争などの危機が起こると、有事のドルと言われて、ドル買いが進みドル高になると言われたものだが、最近ではこの役割が円になってしまったようだ。●オプションなどで通貨を扱う世界の投資家は、危機から逃避する際に安全パイの通貨として軒並み円を選ぶらしい。次が米ドル、その次がスイスフランだそうだ。いつからこうなったのだろうかね?●日本の政府負債が1000兆円を超えて、日本国債の暴落が起きると言われて久しいが、一向にその気配はない。国債格付けが下がろうとも一向に暴落は起きないし値段もあまり変化しない。●日本財務省は、政府負債が1200兆円にもなり、国民一人当たり何百万円の借金ですよと・・時々アナウンスして危機感をあおる。これ政府借金で国民の借金ではないのに、数字だけは国民一人当たりにすり替えて言ってるんだね?それはそうかもしれないが、このあたりの裏話を元財務官僚の高橋洋一氏が解説してる。だから増税しましょうね・・という論理づくりなのだと、財務省出身者が言うのだから役所の本音だろうね?●まず、政府負債とは確かに1200兆円にもなろうとしてるが、政府資産も実は相当額が有る。特殊法人などへの貸付金や年金資産(120兆円位か)、外貨準備額(100兆円余り)その他特別会計の埋蔵金なども入るのだろうか?固定資産(道路などインフラ)は評価が難しいが、それでも無理やり評価すれば、政府負債をかなりオーバーすると言ってたような・・・●さらに言えば、直近の税収が57兆円となり最近の政府会計は潤沢の様だが、景気悪化時の低めの数字もあるので、ならして40兆円としても毎年入ってくる税収を4%程度で割戻してやれば(年数が不明だが)、その想定元本は700兆円位になるとか言ってたね。つまりリスクを見ても500兆円位の価値が有るとのこと。裏を返せばこのくらいの国債を新規発行して、インフラ投資などに向けても十分余裕が有るとの見立てだ。目に見える資産のほかに、担税力を評価すればこのくらいの資産が上乗せできるってことだよね?●日本の対外純資産は26年連続世界一だ。日本の企業や個人が持つ対外資産がざっと1000兆円、負債(外国企業や個人が持つ日本の資産)が650兆円で、差し引き350兆円がその内訳だ。さすがの中国やドイツでさえも、この数字には遥かに及ばない。たしか中国が240兆円くらいドイツが170兆円だったかな(ちょっとうろ覚えだが)●つまりGDPでは中国に抜かれても、日本は海外でしっかり稼ぐ構造になってて、国内対象のGDPの数字では日本の経済活動は良く把握できないんだね?●世界中で投資活動を行うプロの投資家はこの日本の実態をよく理解してるので、冒頭の有事の円・・という行動になるんだろうことは想像できる。●経常収支の黒字のうち、所得の収支が貿易の収支を超えるようになり、最近ではサービス収支(主に観光収入の黒字)さえ増加中だ。経常収支の黒字が続く限り、対外純資産は増え続けることが期待できる。●中国のメディアなどでは、人口で10分の1、国土面積で25分の1に過ぎなくて、国内の資源もない日本がなぜこのような偉業を成し遂げたのか、開国時期が同じなのにこの差は何なのか?・・と論じる記事をよく見かける。外の人からはじめて大和民族の優秀さを教えられるようで、なんだか恥ずかしいような誇らしいような気もするが、やはり確かに優秀なんだろうね。