風流先生の奇妙な本棚⑴
皆様こんにちは!
風流です。
朝起きたら足の間に猫2匹です。
全く動くことが出来ません。
血流が止まってネコノミー症候群で
死んだらこのブログを読んでくださった方は
マスコミに売って下さって構いません。
足の間でのんきに伸びをするぼたんに
私の無力さを感じます。
猫の前では人はこのまま儚く散るのみです。
本日は少し「癖のある」本を集めている
私の本棚から1冊を紹介したいと思います。
よろしくお願いします!
記念すべき1冊目はこちらです。
「東京店構え」
マテウシュ=ウルバノヴィチ 著
MdNコーポレーション 発行
東京店構え マテウシュ・ウルバノヴィチ作品集 [ マテウシュ・ ウルバノヴィチ ]
表紙から分かるように、
ひたすら正面から見たお店の外観のイラスト、簡単な解説が掲載されています。
さて、突然ですが皆様は東京というとどういう景色を思い浮かべますか?
眠らない夜の街並み。
お洒落な美術館。(単位展面白かった)
大きなショッピングセンター。
洗練されたカフェ。
巨大なビル。
ランドマーク。
(どれも微妙に古い写真ですみません。
特にお台場とか多分今違うモビルスーツですよね?)
それこそ、数えあげればきりがありません。
それらはたくさんの人を魅了してやまない
強烈な魅力を放つ者達であります。
しかしながら、
東京というと
洗練されているけど
どこか無機質で
冷たい印象も覚えませんか?
この「東京店構え」という本の作者は
「マテウシュ=ウルバノヴィチ」
というポーランド人の方です。
彼が旅行で見た東京の面白さは
現代の私達の持つイメージの
煌びやかで洗練されている大都会という
感覚とは少々違うようです。
彼が「爆発したようなインスピレーション」を覚えたのは
私達が普段目にも留めないような
当たり前のようにそこにある
「東京の住宅街にあるような小さな店」
でした。
外国人である彼は、アニメーションや漫画で見たような景色を
まるで自分が知っている場所に戻ってきたようなノスタルジーを覚えた。
と言います。
しかし、彼がノスタルジー、
既視感を覚えつつも
実際に目にする私たちにとって当たり前のようにそこにある
街並みは、彼の想像よりも面白い景色であったそうです。
そこで、
自分の見たすべての光景をイラスト
にするため日本に滞在し、
この本の作成が始まりました。
私も実際に。
この本のページをめくっていると
東京にあるとは思えないような
小さなお店が沢山出てきます。
それはもしかしたら今あなたの住んでいる街にもあるようなお店かもしれません。
日本のどこにでもあるような小さなお店。
誰もが懐かしくほっとできる場所。
変に気負うことも
意識高い振りをすることも
背伸びする必要のない
東京の姿が今も息づいているということに
私は気付かされる思いがしました。
例を挙げますと
小野陶苑は陶器を扱っている谷中商店街にあるお店です。
正面には木でできた味のある字体で掲げられた看板が掲げられています。
風鈴が軒下を彩り、お店の前には
豚の形をした蚊取り線香や
陶器のお店なのに何故か
腐葉土やポット、支柱、じょうろなど
周辺の住民の方向けなのか陶器とは関係ないガーデニングコーナーなんかもあったりします。
ぼーっとこうしたお店を眺めていると
それぞれの地域に住む人に寄り添った
お店の個性、味みたいなものが
人々の個性みたいに見えてきました。
そのお店の住人や
そこを訪れる人々
そんな、当たり前の風景が
何だか特別で温かい事のように思えてきます。
東京にはしっかりと人々の暖かい心が
人々が暮らしいていることが
伝わってくるのです。
それはきっと
ポーランド人の作者が真から
好奇心と強い愛情をもって
この、一目見るだけで
欠伸をして通り過ぎるような
東京の小さなお店の数々を、
熱心に
つぶさに、
何故そういう構造なのかまでを
丹念に調べた事に他ありません。
日本に産まれて何十年も暮らしていると、
どうしても私達の目を通して見る
フィルターは
曇りがちになってしまい刺激的なものや目新しいものばかりを追うようになってしまいます。
東京に限らず
私達の目の周りにあるものを
当たり前のように存在している
物や人を
例えば、生まれ変わったような
外国から来たような
新鮮なフィルターを通した
目で「見る」ことで、
「生きる」ということは
面白くなるんだということに
気付かされます。
当たり前のようにそこにあるものに
「感謝」すら覚えるようになるかもしれません。
皆様の、もとい私達の「当たり前」が
これからもずっと続くことを祈念して
本日は終わっていきたいと思います。
↑このブログを読んでくれた方の
平穏無事を祈念する猫
では!
東京店構え マテウシュ・ウルバノヴィチ作品集 [ マテウシュ・ ウルバノヴィチ ]
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