ご報告
私事で恐縮ですが、来月、妻が出産予定の運びとなりました。私が今後もブログを続けていくことは妻の希望でもありますのでどうか皆様方にはこれからも温かく見守って頂きますようよろしくお願い申し上げます。以下長くなりますのでお時間がある方だけお読みいただければ幸いです。不妊治療を行い妊娠に至るまでを簡単にご報告させていただきます。結論を先に申しますと、不妊治療に於いては人工授精を4回行い成果が出ずにその後、体外受精に踏みきり無事に妊娠へと至りました。クリニックは職場からほど近くまだ治療を受けていた時はコロナ禍の前という事もあって仕事の前や後などで妻に頻繁に付き添うことが出来たのも今思うと幸運でした。不妊治療の期間は1年程。費用に関しては全てもろもろ含めると100万円弱といったところでしょうか。自治体などからの補助金もありましたがそれでもかなりの金額は掛かりました。不妊治療を行っている最中はいつ抜け出せるかも分からない暗いトンネルの中でさ迷っているような状態でした。夫婦で衝突することも沢山ありました。タイミング法や人工授精でその結果に期待しながらも生理が来てしまって気持ちがどすんと落ちるということを繰り返すうちに精神的にも金銭面でもかなり消耗してきました。やはり妻はどうしても他のお子様のいらっしゃる家庭などを見るとどうしても何故うちはこんなに苦しむのかと涙を流すことも沢山ありました。外は外、うちはうちと頭では分かっていても周りと比べてしまうということはやむなきことであります。しかし、夫婦で暗い顔をして険悪になってしまっては子供もやってきてはくれないのではないか?という考えに至りました。なんとか諦めずに前を向いて進んでこれたのは妻が血を滲ませるほどに歯を食いしばって耐えて希望を持ち続けてくれたことに他なりません。真っ暗なトンネルの中でランプを持って道なき道を進む決意をしてくれたのは妻です。同時に、同僚に不妊治療をやっている人が多くいたので相談できる人が男女問わず大勢いたことも有難いことでした。情報を交換しながら互いに励まし合うことが出来ました。本当に妻やお医者さんをはじめ多くの方に感謝の気持ちで一杯です。かなり私の仕事というのが特殊で不規則で睡眠時間をろくに取れず外食なども多くなるという凡そ精子に取って最悪なことばかりをすることが生業となっていることも多少なり不妊の原因になっていたかもしれません。人工授精を行うときは精子の運動率が非常に良かったり凄く悪かったり変動していました。そこもやはり我が家の不妊の一因になっていたものと思います。人工授精は4回ともダメでそこから妻と議論を重ねてお金は掛かりますが体外受精を行うことに決めました。体外受精の際は妻から卵子を3つ摘出して精子をふりかけて受精させるのですが結果として私の精子の運動率がその時は幸運にも高かったのでふりかけ法で3つとも受精に成功しました。お金の話ばかりで申し訳ありませんが運動率が悪いと顕微授精という方法になりより費用が少しかさむ形となります。ただ、私の後輩には運動率が0でも顕微授精を行い体外受精に成功した方が現実におられるので例え運動率が悪くても希望を捨てない方が良いと思います。その後輩は再来月に出産を控えています。私の行った体外受精は凄く簡単に言うと受精させた後細胞分裂により胚盤胞まで進ませます。それを凍結させてコンディションの良いときに妻に移植するという凍結胚移植という方法でした。結果的にふりかけ法で3つ受精卵となったものの一つは細胞分裂が止まってしまいました。残り2つは胚盤胞まで細胞分裂が進み凍結させました。そのうち一つを融解させて妻に移植したところ無事に成功したという流れになります。残り一つ凍結胚がありますがそちらはクリニックの方で保存して頂いております。年間で4万円ほどの費用が掛かります。しかし、実際に着床するまでの間は生きた心地がしませんでした。妻に胚盤胞を移植して結果が判明するのが丁度大晦日のあたりでした。その日前後で生理がくるか来ないかが一つの目安となります。大晦日の日早々に切り上げてバイトから帰ってきた妻がトイレから出てくるとタイミングが悪いことに少量の出血があったとこのこと。それを生理がくると早とちりした妻は涙が止まらずに私もその時は何と声を掛けたら良いか分からず、「まだ、決まったわけではないから」と言うのがやっとで思考がストップしてしまいました。ただNHKでは紅白歌合戦が放送されていて米津玄師が謎のインタビューに答えたあと嵐が歌っているのを空っぽの心で耳からただただ入っては抜けていくような状況でした。お互いに何も考えずに眠りたいという未だかつてない絶望の年越しとなりました。しかし、ひと眠りして元旦となり妻は早朝から楽しみにしていた福袋の買い出しに出かけ私も仕事へ行ってきました。仕事から帰ってきて妻の沢山の福袋の成果に喜んだりマクドナルドの福袋が買えなかったみたいな話を聞いたりしているうちにすっかり何事もなかったかのような穏やかで楽天的な日常へと戻りました。あの時の気持ちの切り替わりというのは今でも不思議でなりません。次の体外受精をどうしようか金銭的にも厳しいなとか考えているうちに生理が来ず無事に妊娠していることが分かった時の喜びは筆舌しがたいものがありました。不妊治療が成功するかどうかそれは最終的には天運に近いものがあると感じます。何が悪い誰が悪いというものももちろんありません。そこで授かるか授からないかは神のみぞ知ることです。一度目の対外受精が失敗したと早とちりした時はある種運命というとてつもない強力なものに阻まれたと無意識で僕たち夫婦は感じたのだと思います。僕たちはもうやるだけのことはやった。それで駄目ならそれはもはや運命であり、どんなにあがいてもがいて苦しんでも無駄であると。それなら開き直ってまたしばらく二人で羽を伸ばしたり進むなり立ち止るなりすれば良いと。結果的に妊娠が判明した時は二人で進んできた道のりを思い出すと目頭が熱くなってしまいました。それからというものコロナ禍でマスクがちょうど薬局からなくなりつつある頃妻は大事を取って直ぐにバイトを辞めました。空いた時間を妻はメルカリで夫である私の私物を処分することにしました。家の物は減らせるし出産準備費用にも充てられるし一石二鳥なのです。私の独身の時から所持している私物やコレクションのゲーム、本、漫画、CD、DVD、Blu-ray、洋服などを妻が写真に撮って出品して頂いたのですがその数は現在200を超えるほど多くの方にご購入いただきました。お金の非常に苦しい状況ですので本当に有難い限りです。誰かに届いて喜んでいただけるというのも嬉しいです。「これから産まれてくる子供にとって必要ないものは売ってしまおう」と思ったら私の所持しているものって正直ほとんど必要ないものなんですよね。産まれてくる子供はこれから自分の目で好きなものを探して欲しいなと思います。今は妻の来月の出産を控え先輩に視聴を勧められたコウノドリを観ています。まだ序盤しか観ていませんが「どんなお産も100%安全ではありません。赤ちゃんを産むということは誰にとっても命がけなんです。」コウノドリ DVD-BOX [ 綾野剛 ]という言葉が身に沁みました。これからは新しく産まれてくる命というものに真剣に向き合っていかなくてはなりません。私たちにとってのスタートラインはこれからになります。新たに靴ひもを結びなおして全力を尽くしたいと思います。まだまだ、若輩者の夫婦で皆様にも今後ご迷惑をお掛けすることもあるかと思いますがこれからも何卒よろしくお願い申し上げます。本日もお読みいただきありがとうございました。