家庭内暴力も食事が原因だった
家庭内暴力や登校拒否、あるいは自閉症。他にも暴走族に走る子ども、非行化していく子ども、はては殺人まで犯してしまう子どもなど、ごく身近なところに子どもがらみの問題がゴロゴロしているのです。その原因は単純ではないと思います。受験体制主体の教育、親の過保護、過干渉、教師の無気力、無能力、等々…。でもいかに、周囲の環境が悪かろうとも、適切な判断力を持った子どもなら、困難はあろうとも、いずれはきちんと自立する方向に進むはずです。そして、そうした子どもになれるかどうかの鍵は、やはり“食事”が握っている、と考えます。食事と非行化と、何の関係があるのだろうと訝る(いぶかる)人もいると思いますが、食事は、人間が生きるための原点です。食事によるエネルギー補給なしに、人間が生きることは不可能です。また、人間の言動をコントロールする脳や神経にたいする栄養補給にしても、食事を通してするしか道はないのです。最近は、外食産業の進出も目覚しく、テイクアウトのお弁当、お惣菜などもずいぶんと幅を利かせ、インスタントラーメンをはじめとする即席食品も花盛りです。そういえば、子どもの問題がクローズアップされてきたのは、そうした食生活の大変化があってからあとのことではないでしょうか。問題児には、何よりも自信をつけさせることが大事食事という、ごくごく日常的な行為が、これほどまでに重要だということは、にわかに信じがたいことかもしれません。でも、まぎれもない事実なのです。鈴木その子の基へも、暴力児たちが数多くやって来ました。そんな子どもたちに、こう言ったそうです。「あなた、親泣かせだったでしょう。」そうすると、皆が皆「はい、そうです。親泣かせなんです。」と言う。家庭内暴力の子どもが、親のことを思っていないかといえば、けっしてそんなことはないのです。むしろ、しっかり親のことを考えているという子のほうが多いのです。でも、暴力を揮う瞬間には、その子自身どうにもならないのです。もう、自分の意思などとは、無関係のところで、手脚が動き、親に物を投げつけたり、ひどい場合には、親の頭から熱湯を浴びせかけたりもするのです。それというのも、脳や神経の働きを上手にコントロールできなくなってしまっているからです。そういう子どもたちに接する場合、まず自信を持たせてやることに主眼を置きます。具体的には「あなたは本当はいい子なのよ」と言ってやるのです。子ども自身、我を忘れて親にあたり散らすことで自己嫌悪に陥っているのですから、その苦しみの気持ちを、こちらがわかってやらなくてはいけないのです。そして子どもが「自分だってちゃんと立ち直れるのだ」と、思うようにしてやることです。そこでSONOKO式食事の指導を行うわけですが、早い子の場合で1週間、遅い子でも1ヶ月で効果が現われてきます。SONOKO式の食事を実践していた子どもたちに聞いてみると、以前ならカッときて、もう何もわからなくなって親に暴力を揮っていたところが、カッとなるまえに、何だか親が可哀想に思えてしまう。つまり、だんだん怒れなくなってしまい、そんな自分にイライラしてしまうこともあったそうです。が、SONOKO式食事さえしていれば、そのイライラもやがては鎮まり気持ちが安定するようになるのです。ズバリ言って、家庭内暴力の子どもに対しては、成人病と同様、「ご飯」を食べさせることはもちろんですが、それに加えて「小魚」を定期的に食べさせるようにする。要するにブドウ糖とカルシウムの補給です。この二つは脳神経の正常化に欠かせないのです。ガリガリにやせた暴力時の場合具体的に鈴木その子がそういう子どもたちにどう接していたか。たとえば、ガリガリにやせた女の子がやってきたとします。そういう体型になっていて、家庭で暴力を揮う子は、目つきが普通と違っていて、しかもアフリカの飢餓民のようにたいては下腹が出ている。そこをつかんで、こう言うわけです。「あなた、こんなところに脂肪をつけていちゃあ、 お婆さんみたいでしょう。おかしいと思わない…?」「ええ。実はそれで悩んでいるんです。」「悩みは、人間なら誰でもあるものですからね。でも、 私が治してあげる。この食事をしたら治るわよ」というふうに説得するわけです。これを逆に「あなた、やせてるわねえ」とか「あなた生理ないでしょう」などと言うと、反発して、言うことを聞いてくれないものです。その辺の対応が、言ってみれば、治療のきっかけ作りの最大のポイントと言えるのです。そして、2回目ぐらいの指導のときにこう言うわけです。「あなた、多分、多少は太るわよ。今は内臓が老人みたいに 小さくなっているのが、だんだん充実してくるのだから、 太らなきゃ駄目なの。でもそれは体重が増えるだけで、 皮下脂肪はなくなるから大丈夫。ウエストだって6センチも 7センチも細くなって、いいプロポーションになるわよ。 あなたの子宮は、今すごく小さくなっていて、このままだと 一生生理がなくなっちゃうけど、あなたはまだ若いから治る。 食事をちゃんと私の言ったとおりになさい!」これで、たいていは納得してSONOKO式を一生懸命始めてくれます。結果はもう明らかです。期待通り、下腹のぜい肉は取れ、代わりにヒップなどにはほどよく肉がついて、女っぽい体になってきて、生理も始まる。体調が整うとともに、精神的にも安定し、家庭内暴力も自然と姿を消してくれるのです。