カテゴリ:ゲイトソリューションデザイン
前回の日記に載せていなかったのですが、 靴の選択の幅を広げたいというところからスタートして、装具の問題を もっと考えるきっかけになったのはこちら様のブログを読んだことにありました。
この方のお立場が、お医者さんか理学療法士なのかどちらか不明なのですが、 この画像の装具を実際に使っている患者さんに相談されて、 「よしっ、これで大丈夫」と、新たな装具を作り直すために注意点を書いて持たせたら、 患者さんの日ごろ通っている医療現場の人間はそれを全く無視で、 やっぱりひどい装具が出来上がってきた、という悲しい物語です。
以下、引用しながら私の理解したことを書きます。 まず前半の、この画像の問題点の部分。
可橈性(かとうせい)はプラスチックに力を加えた時に「柔軟性があり折り曲げてもポキンと折れない性質」だそうです。 底屈位は鈍角に開いていることですが、これじゃ立った時につま先に体重が乗らないのでそっくり返りそうだと思います。(健常者の足は少し鋭角に前方に傾いて、脊椎のカーブで頭が真っ直ぐに乗る)
私の装具は比較してみると、なるほど鋭角に出来ていました。 しかしこの前の男性装具士曰く、 私のは「やっと立てるようになった時の装具」で、退院後の時間の経過の考慮は無く、 これでズンズン歩いているから、かかと部分に「クラック」という劣化の白濁が起きていて もう時期壊れる合図だと教えてくれました。 壊れたらさすがに身障者手帳で作れるものでしょ?まだ調べていないけど。 まぁだめでも、「初歩の段階の装具」で引っ張る気もないので作る方向へ行きます。
ところで物語の後半です。
衝撃的ですね。
ゲイトソリューションデザインの川村義肢さんの、ネットカタログの画像を拝借して 「一体型装具でも、もっと靴履けそうなのあるじゃん!」と 私がワナワナ震えたことを付け加えておきます。
徳武産業の冬靴が装具用のなのに何で入らないの?という疑問は 入る装具だって普通にある、ということが答えでした。 この患者さんも、靴を探すのも大変だろうな。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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記事がアップされてすぐにコメント書いたら、ネットの都合で消えてしまったので放置しておりました。何者か、というと、理学療法士です。日本とイギリスの資格を持っています。ま、欧米水準なので、海外では医師と同格なんですけど、日本はレベルがあまりに低いので地位改善の前に資格自体がなくなりそうなんですけどね。私のようなタイプのPTはたいてい、海外に行ってるので同じようなことを言ってくれるセラピストは非常に少ないと思います。少なくとも奈良では一人も知らないくらいで。
装具ですが、いわゆる写真のものはShoe-horn Braceという装具です。靴べら式といってもいいのですが、あまり使わず、シュー・ホーンとみんな呼んでおります。ご存知のとおり、ふくらはぎ側がプラスチック支柱で覆われています。これは、作製が簡単なことと、装具学の授業で一番初めに習う種類の装具であるのが災いしてか一番多いタイプです。私が、急性期の患者を見ていたときは一切このタイプは使用しませんでした。靴の着脱もありますが、足関節底屈の不随意な異常筋活動(背伸びするような方向への動きですね)を助長しやすいこと、関節運動、あとは、心理的な要因、歩行時等の運動物理学的観点、すべてを踏まえて、特に若い患者さんには将来への能力の維持も考慮に入れた上で、別のタイプの装具を使用しておりました。 (2009.12.07 16:35:02)
まあ、一番、多かった流れは、最初は、プラスチック製で前方支柱(湯の児装具)のもので、足関節を少し改良したものを使い、装具更新時にある一定の能力に達していた人にはらせん型装具(スパイラル)というものを作製していました。ただ、前方支柱は特に義肢装具士の技能も要求されることが重要なところなのですが。
情けない話ですが、日本のほとんどの理学療法士は装具作製に立ちあえれるほどの知識や能力がないのが現状です。装具は身体の一部となるので、診てもらっている病院や施設に固執せずに、いろいろと探すほうが良いかもしれないですね。 (2009.12.07 16:35:51)
一応、簡単に、こちらで装具の紹介をした記事も以前に書いているので、古いですが、どうぞご覧ください。
http://blog.goo.ne.jp/kochou_2005/e/fdfe41a39685f6886e0f890b4ab0afc0 http://blog.goo.ne.jp/kochou_2005/e/3c1e1bd4b89048df281e467b3c29d7c8 http://blog.goo.ne.jp/kochou_2005/e/875d2b3000a1949901309de295894836 (2009.12.07 16:41:32)
賀田花乃丞常忠さん
詳しい解説ありがとうございます。 川村義肢さんのところで湯の児式装具を見た時、あまりのシンプルさに惚れ惚れいたしました。 が、同時に「うちの先生じゃ『うん』とは言わないだろう」と即座にあきらめてしまいました。 作戦を練り直すといたします。 でもなんでこれだけ日本語で名前が付いているのかな? (2009.12.08 14:52:07)
それは、湯の児療育園だったっけ。その小児施設で考案されたから、そこから名称が生まれたんですよ。
見たことはないですが、欧米には、プラスチックの支柱が両横にあるやつもあるみたいですよ。 (2009.12.14 17:17:19)
賀田花乃丞常忠さん
>それは、湯の児療育園だったっけ。その小児施設で考案されたから、そこから名称が生まれたんですよ。 へぇ。小児施設でということは、子どもの足の成長過程で必要になる機能を重視したからでしょうか。 (2009.12.15 00:30:09) |
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