海を渡った貴婦人(日産300ZXターボ)
「海を渡る」って言葉の「海」は太平洋のことって反射的に思うんじゃないだろか?船旅はともかくも、船より身近な飛行機だと欧州便は大概ユーラシア大陸上空を突っ切るんだろうから海を渡るって場合「太平洋を渡ってアメリカ」とイメージしちゃう(って海外行ったことないけどね)笑けどアメリカベースで考えると海を渡るのには太平洋の反対側に大西洋もあるわけで。 海を渡った貴婦人。日本から太平洋を渡ってアメリカへ輸出されたフェアレディZと、それをモチーフとしてアメリカで一から作り上げられ大西洋を渡ってフランスへ上陸した300ZXターボ。太平洋も大西洋もカバーするダブルミーニングのイケてるタイトルじゃんと勝手に悦に入ってたけど肝心のミニチュアがまったくイケてなかった。。。スパーク1/43 ニッサン 300ZXターボ “1994年ルマン24h 5位”#75 スティーブ・ミレン / ジョニー・オコネル / ジョン・モートン フェアレディZ(Z32)っぽい外観を纏ってはいるけれど、ガワを剥がすとごっつい鋼管パイプフレームで作らてたシャシーが現れる市販車Z32とはまったく別物の300ZXターボ。(ドアも開かなくて、ドライバーは窓からよっこいしょと中に入る)当時設けられていたIMSAクラスでルマンにエントリーして堂々の総合5位完走。クラス優勝でもあるけれど、IMSAクラスはたった3台のエントリー。どんなに抜かれよーが規定周回数を走り切れば表彰台確定って状況じゃあ、あらためてクラス優勝って声高にいうほどのもんではないよーな。 綺麗にデカール貼りされてなかなかカッコいい300ZXターボなんであるが。。。スパークお得意の考証不足炸裂。 まずはリアセクション。リアエンドに注目。特徴的なリアウイングの下に(市販Z32のような)ボディ直付けウイングがあんのよ。まずこれが再現されてない。 それからエンジンフード(とゆーかフロントカウル)上の実車画像を見たら、別に変じゃないじゃん、なんだけど、実は。。。レース中の画像で判りやすいのがあんまなかったんだがエンジンフード上のエアアウトレット(前側)が並列2つじゃなくてひとつ(計3つ)さらにゼッケンの上が青く塗られてIMSAロゴが貼られてるのが正解。車検時の画像だと判りやすい。なにをこんなにミスってだか。。。とはいえ、そもそも商品のよーなエアアウトレットはまったくの創造物ってわけじゃない。レーススタートから日没まではライトを装備しないタイプのフロントカウルを装着してて、これがアウトレット4つ穴で且つゼッケン後ろが青く塗られてないのがわかる。 整理すると、ライトを装備しないフロントカウルはエアアウトレット4つ穴でゼッケン後ろが青くない。ライトを装備するフロントカウルはエアアウトレットは3つ穴でゼッケン後ろが青い。これを混同しちゃってんだな。でハタと気が付いたんだが、確かこの商品って発売アナウンスが出た時はライト無しだったような?だもんで発売アナウンス時の画像を探してみた。ほらね(商品が発売済みなのにいまだにスパークのHPにはこれが載ってる)リアウイングの件は別にして、この状態ならエンジンフードにミスはない。細かく言えばライトが取りつく場所に実車にはないケガキ線が入ってる。で、後から#76号車がライト無しカウルで発売された。てことは初めから2車でライトだけを安易にコンパチする予定でいたってことだよな。で、ライト有無でエアアウトレットやカラーリバリーも変わることが判ってなかったのか、はたまた気がついてても無視したのか。。。きっと無視したんだろ(個人の想像です)いずれにしても詰めが甘い。変に色気を出すから結局#76号車だって実車にはないライト部のケガキ線が入って残念な結果じゃん。せっかくいー感じのフォルムだったのに興ざめだわな。つか直付けリアウイングがない時点でダメだよね。結局むかし出た京商のほうが正解。 まーこっちも購入前にそこまで詳細にこのクルマのこと調べてなかったしな~。その前に予約に食いついちゃったんだからもうしゃあないわ(泣)それなりの値段とるんだから、もうちっとマトモに考証して販売してくんねーかなぁスパーク。多品種をスピード感もって出すのはいーけど、ここんとこ多くねーか?こーゆーの。(前のアルメラス・ポルシェや新発売のシュナール・ワルケルU3スポールでもあったぞ)KATO(関水金属)1/43 フェアレディZ(Z32) 関水金属とゆーおよそミニチュアモデルとは程遠い名前、であるが鉄道模型の大手。そもそもミニチュアカーは鉄道模型のおまけが原点だから、鉄道模型の会社がミニチュアカーを出すのはさほど筋違いじゃないと思うんだが、実際あんま出してないよね(知らないだけ)日本の鉄道模型事情がOゲージ(1/43スケール)中心に動いてないからかしら?実際KATOもこれのほかはA80スープラが出ただけ。いずれも30年くらい前のハナシ。同時代のヘルパのフェラーリみたいにプラスチック製ボディでエンジンフードとドアが開閉する逸品。基本43スケールの開閉機構は、どうしてもパーツの隙間が目立っちゃうからいらん!主義なんだけど開閉するのにデザインナイフやカミソリの刃先を使わないと開かないくらいピタパチなら話は別。KATOのZは昔から知って、いいなと思いながらもなかなか縁がなかった。今回300ZXターボの引き立て役にとセコハン叩き売りを買ったんだけど、結果30何年前のこっちのほうが全然出来が良かったってゆー皮肉(笑)