さよならGTE(ポルシェ 911 RSR-19)
ル・マン24時間レースを支えているのは、ワークスのプロトタイプマシンと市販スポーツカーベースの耐久グランドツーリングマシン(LMGTE)であると個人的に思っている。LMP2クラスはWECシリーズ戦として見れば面白いけど、24時間レース単発イベントとしたらちょっと弱い。なんたって基本は量産型プロトタイプ(暴言)だから、カーメーカーの威信をかけてってゆー気概がちと足らないかな。 2011年から始まったLMGTEクラスは、プロクラスが2022年をもって、一年以上昔の型落ちマシンで戦うアマクラスは2023年をもって終了し、今年からはLMGT3マシンへと移行する。スパーク1/43 ポルシェ 911 RSR-192022年ル・マン24h 28位(クラス優勝)#91 リヒャルト・リーツ/フレデリック・マコヴィッキィ/ジャンマリア・ブルーニ かつては、ダッジ・フォード・シボレー・ポルシェ・フェラーリ・アストンマーティン・BMWらがGTカー世界一の座を競って鎬を削ったGTEも、今やポルシェとフェラーリが残るのみ。参戦しているチームからすれば、まわりはすべて敵なので、参戦車種が多かろうが少なかろうが自分が勝つことが第一義なので関係ないのかも知れないが、見ている方としてはいろいろな車が競争している方が楽しいもんだ。ポルシェが世界制覇のために、市販車では頑なに守り続け唯一無二のアイデンティティでもあるリアエンジンを捨ててまで開発したRSR-19もこれが見納め?見事ル・マンクラス優勝で有終の美を飾った。タイヤ一つ分ワイドになったフロントセクションなど、ロードバージョンとは大きくかけ離れてしまっているけれど、スーパーGT500車輛のように空力付加物がないから、正面から丸目二灯を眺めればまごうかたなき911なところが素敵(笑)。 せっかく車種豊富なGT3クラスに移行したんだから、ランボルギーニやアウディに日産、レクサス、マクラーレン等スパやニュル並みの多メーカー混走が見たいもんだがル・マンがWEC全戦参加を前提にするなら結局、今年もポルシェとフェラーリだけだったりして。