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カテゴリ:街 こおりやま
帰米二世
戦後70年を経た今でも、アメリカの日系人社会の中に、『帰米二世』という言葉が残されている。これはアメリカだけではなく、海外へ出た日本人二世のうち、カナダ、ブラジルで生まれ、幼少のうち日本に帰国して教育を受けた後に、再びそれぞれの国に帰って行った人たちを、『帰米(Kibei)二世』『帰加(KIka)二世』『帰伯(Kihaku)二世』などと呼んだ。二つの祖国をよく知る彼らは、その後の戦争による過酷な状況を生き抜いた。 この帰米二世についてハワイに赴き、何人かに取材をする機会があった。その発言の中に、次のような重いものがあった。「ただあれね。今の日本には昔がなくなって、寂しい思いがします」これなどは、具体的にどうとは言っていないが、私は痛烈な日本批判と受け止めた。 また「日本は良い国であって欲しい」と言う意味は、日本からいいニュースが流れてくれば誇らしい気持になるし、悪いニュースに接すると惨めな気持になると言う意味である。特に日本に強い一体感を持っていたハワイの日系人たちは、日本軍の真珠湾攻撃を目前で見ていることから、その精神的ダメージは大きかった。だからこそ、日本には二度と戦争をして欲しくないという気持が、強く感じられるのである。 現在の日本を取り巻く国際状況は確かに厳しい。アメリカもロシアも、そして中国も、それぞれが強い国の復活を目指すとしている。それら各国でのナショナリズムの高揚が、衝突や戦争につながらないと誰が言えるであろうか。安部内閣も憲法改正に積極的になるなど、アメリカ側の一員として軍事行動力強化に踏み込もうとしているように思える。これなども、国内政治の失政を隠すため、戦争を起こして国民の目を海外に向けさせて来た戦前の軍事政権と同じようにしか私には思えてならない。 今や日本から移民した人々の他にも、世界中で活躍している大勢の日本人たちがいる。これらの人々を苦しませることがあってはならない。安部政権は、海外の日本人・日系人の願いを汲み、ハワイの人たちが言う、「日本は良い国であって欲しい」という言葉をよく斟酌し、戦争に参加することのないよう切望するものである。 ブログランキングです。 ←ここにクリックをお願いします。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2016.06.01 07:35:14
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