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2021.09.23
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テーマ:読書(8208)
カテゴリ:【読書】未分類

本のタイトル・作者



星落ちて、なお [ 澤田 瞳子 ]

本の目次・あらすじ


星が流れた。
明治22年、春。
22歳のとよは、絵師である父・河鍋暁斎を葬った。
画鬼と呼ばれ、あらゆる題材を貪欲に追い求め、自在に楽しみ描いた暁斎。
5つの頃から絵筆を握り、父を師としてきた娘は、その死を前に惑う。
けして届かない存在と知りながら、その影響力を振り払うことも出来ない。
その影の中に生き、その道を歩むしかない。
ーーー河鍋暁翠として。
新しい絵画が勃興し、世が移り変わろうとも。
光の見えぬ暗闇に、もがきながら線を引き続ける。
牢獄にとらわれたように。

引用


「ええ。だって、どれだけあくせく働こうとも、どんなにのらくら生きようとも、結局、人はあの世は何にも持っていけないのですよ。ならせっかく生まれてきたこの世を楽しみ、日々を喜んで生きた方が、息を引き取る瞬間、納得できるじゃないですか。それは決して、絵や能だけには限りません。魚を獲る両氏もお役人も商人も……この世のすべてはきっと、自ら喜び、また周囲を喜ばせられた者が勝ちなんです」


感想


2021年読書:205冊目
おすすめ度:★★★

第165回直木賞受賞作。
はじめ、表紙から江戸時代の話(天体もの?)と思っていたら、違った。
明治から大正を生きた実在の絵師の物語。
表紙は、河鍋暁翠(とよ)の作。

女性の一生を描いた作品として面白く読んだ。
明治22年、明治29年、明治39年、大正2年、大正12年、大正13年。
それぞれのパーツの接合なのか、全体的にいまいち消化不良な感じがした。
絵師だからか、世の中の移り変わりがそこまでとよに迫らない。
激変、激動の時代だったろうに。
とよが見つめる目線が、絵師じゃない気がするんだよな…?うーん?
シングルマザーで、自分の腕一本で、内弟子も養って暮らしていけるって、かなりすごいのでは?
そこらへん、さらっとしていて何だか得心いかず。

何かの道を究めた人、という意味では
渦 妹背山婦女庭訓 魂結び [ 大島真寿美 ]
のほうが好みだったかな。

物語の中に、江戸時代の女(精神性の美)と、明治以降の女(外見の美)の比較が出てきて、
女性差別はどう作られてきたか [ 中村敏子 ]
を思い出した。
江戸の女はけっこう、自由だったんですよね。
良妻賢母がいわれるようになったのは、明治以降。
美人画にもその影響があったのか。

私なんかは、表紙のような絵をみると「古臭いな」と思ってしまうし、そこに魅力も感じない。
でも、違うのかも。
もっとよく見てみるべきなんじゃないか。

本の中で、とにかく絵を練習しているんですよね。
線は、僕を描く [ 砥上裕將 ](2021年6月に読んだ本まとめ/これから読みたい本
でもひたすら線を引いていた。
ひとつの絵が描けるようになるまでの、途方もない積み重ね。

無知は、無知だからこそ、その価値を蔑ろにすることができる。
そこに描かれているものを、歴史を、技法を、知らないから、その凄さが分からない。
学ぶこと、知ること、目を養うこと。
生涯を通じて、それを楽しみたい。
私は今世を味わい尽くして死にたいんだ。


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最終更新日  2021.09.23 12:00:10
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