|
カテゴリ:タイガース時事報告
ゴメスはフィルダーになれるか? 1989(平成元)年、ブルージェイズで伸び悩んでいたセシル・フィルダーは4番候補という誘いに応じて阪神タイガースに入団しました。メジャーでは全然だめだったわけではなく、87年にはメジャー75試合175打席で14本塁打していて、長打力の片りんを見せています。守備や走塁に難があり、レギュラーポジションが取れない状況だったと思われます。来日時は25歳でした。 フィルダーはオープン戦初出場の成績が4打数0安打で3三振。三振はすべて空振りでした。2試合目も3打数3三振でなので2試合で7打数6三振です。3月上旬にこの状態では、村山監督ならずとも「こりゃあかん。直さないかん」となりますね。 インコースを厳しく攻めてのけぞらせ、外角のボールになる変化球で打ち取るという単純パターンで簡単に料理されてしまうのがわかっているだけに、練習ではひたすらインコース攻めに目を慣らすことで克服していきました。 (当時のトラッキーは目が小さいですね) 一時はマスコミやファンも「こんな大型扇風機みたいなんは使えん。もう一人外国人選手を獲ったらどうや」と騒ぎ立てましたが、「新しく獲った奴がまた三振ばっかやったらどうすんねん」とフロントが二の足を踏んで、フィルダーをしっかり打てるようにする方向で専念した結果、日本の配球に適応して3割2厘、38本塁打、81打点の成績を残したわけです。例の指の骨折のため106試合しか出ていないので、フル出場ならホームラン王は確実だったでしょうね。 右投げ右打ち、ファーストしか守れない、似ていますね。190センチ近い身長や、腰から太もものあたりの太さなど、ゴメスはフィルダーと体格的には遜色ありません。最初は三振ばっかりというのも似てる。というか、オープン戦当時のフィルダーの三振のほうがすさまじい数でした。それを考えればゴメスはまだ修正がきくと思います。 外角の球に引っかからないためには、まずインコースを克服するというのがフィルダーのケースからの教訓です。とにかくインコースを引っ張って長打、できればホームランにするところを見せないといけません。あとはインコースを怖がらずに平然と見送るなり、ファウルするなり出来るようになっていけば、おのずと優位に立てるはず。投手のほうが怖がってアウトコースでストライクを欲しがれば、リーチのあるゴメスなら打てますよ。そう思います。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
[タイガース時事報告] カテゴリの最新記事
|