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2011年02月22日
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カテゴリ:「秘密」詩・小説
 
 BLの苦手な方は読まないでください。

 あくまで二次創作ですから苦情は受け付けません。

 何卒お許しくださいませ。m(_ _)m



   手書きハート  手書きハート  手書きハート  手書きハート  手書きハート  手書きハート   



 公園周辺で訊きこみをしてみたが、目撃者はいなかった。

 冬の公園は殺伐としていて、子供が遊ぶ姿も見られなかった。

 しかも犯行当日は雨が降っていた。雨の降る夜に公園に行く

 物好きはいない。池に死体を投げ込んでも誰にも見つからない

 だろう。青木は途方に暮れて公園の中を歩いていた。すると、

 携帯電話が突然鳴った。薪からだった。

 「もしもし。青木です。」

 「訊きこみに出かけたと岡部から聞いたが、何か分かったか?」

 「いえ。何も。」

 「だろうな。1年前に所轄の刑事が目撃者を見つけられなかった

 事件だ。お前が見つけられるはずがない。もう戻って来い。」

 「はい。でも、もう少し池の周囲を見て、公園を自分の目で見て

 調べてから帰ります。」

 「分かった。好きにしろ。そういえば、今日は1人目の被害者が

 殺された命日だったな。」

 「今日でまる一年経つんですよね。花でも買って来れば

 良かった。」

 「そうだな。」

 「じゃ、遅くなると思うんで、直帰してもいいですか?」

 青木は携帯電話を切ると、茜色に染まった空を見上げた。

 もうすぐ日が暮れる。青木は少年の死体が発見された場所へと

 向かった。すると、その途中、じっと池を見つめている背の高い

 さえない男が池の淵に立っているのを発見した。田中だった。

 思わぬ事態に青木は気が動転して

 「田中」

 と呟いてしまった。すると、田中は振り向いて、こう言った。

 「俺の名前を呼びましたか?お会いした事ありましたっけ?」

 「あ、いや、その・・・」

 青木は焦って口籠ってしまったが、田中は近づいて来て

 「どこかで見たような・・・どちら様ですか?」

 と聞いた。青木は下手な事を言って、逃げられては困ると思い、

 咄嗟に嘘をついた。

 「田中先生、お久しぶりです。学校をおやめになったと

 聞きましたが・・・」

 「やはり、父兄の方でしたか?大島君のお兄さんでしたよね?

 その節はどうも。」

 田中は意味深な笑みを浮かべて会釈をした。青木は人違いを

 されていると思ったが、話を合わせる事にした。

 「先生は今、どちらに・・・」

 「隣の市で塾の講師をしています。立ち話も何ですから、

 喫茶店にでも行きませんか?車をすぐそこに止めてあります

 から、よろしければ、乗りませんか?」

 「はい。お願いします。」

 青木は危険だと分かっていながら、田中の車に乗った。


                             (続く)


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最終更新日  2011年02月22日 22時19分32秒
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