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お隣さんの国:韓国からの手紙

お隣さんの国:韓国からの手紙

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2024/08/01
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カテゴリ:映画
「スカーヴァティー」とは、
サンスクリット語で「幸福のあるところ」を意味し、
「極楽」と訳されている言葉だ。

この映画は、Kリーグ2のプロサッカーチーム、
FC安養のサポーターズたちのドキュメンタリー映画。

安養=極楽、として、
サポーターズが応援の時に
「スカーヴァティー!安養(アニャン)!」
と叫んでいるのだ。




こんなの見に行くのはうちくらいかと思ったら、
平日の真昼間に結構、観客がいた。

サッカーオタクのよしくんはもちろん見に行くと言ってたので、
はんらは、オタクなよしくんんを少しは理解できるかと思って一緒に行ってみた。
映画館は涼しいから避暑を兼ねてね。。。

この映画!
思った以上に熱くて面白いです!!!

韓国のサッカーチームは、
かなり複雑な歴史を抱えていたりもして、
なかなか理解しにくい。

(以下、ちょっとオタクっぽい話になるので、関心ない人はここでサヨナラ~)

まず、Kリーグは1983年に始まった。
そして、安養LGチータースの前身になるクラブも1983年に創団された。
当時は、ソウルが本拠地のLGチータースだった。

1990年代中盤からはスポーツを地域に密着させようという政策となったようだ。
1995年末には各チームにホームタウンが定められ、
それまで企業色が強かったクラブ名に地域名が付加された。
LGチータースは安養市をホームとする
安養LGチータースとなった。
それが1996年のこと。

↑ ここまでが映画が始まるまでの事情をよしくんから聞いた話。

映画は、FC安養のサポーターズ、REDのメンバーたちの語りを中心に進んで行く。

安養LGチータースが誕生した直後、
韓国はIMF事態という未曽有の経済危機を迎えた。

当時、既にはんらは韓国にいたけれど、
ほとんどの企業や会社が倒産、
銀行も証券会社もほとんどの社員をリストラという
それはそれは大変な時代だった。

ノギさんは大手の企業とは縁遠い会社に勤務していたから
はんら家には大きな影響はなかったのだけれど、
世の中は、自殺や夜逃げ、一家心中など、
悲惨な事件が次から次へと起きていた。

「当時は多くの大学生たちが学校をやめなければならなくなり、
若い人たちがみな、夢を断たれ、希望も失っていた」
と語るREDのメンバー。

あ~、そうだったかも。
と、映画を観ながら当時を思い出したはんら。

夢も希望も失って、その辺をウロウロしてた時に、
サッカー場の警備をしていたおじさんが、中に入れてくれたという。

傷ついた若者たちが、
サッカーの応援を通して仲良くなり、楽しみを見出し、
サポーターたちは家族のように親しくなったという。

当時、安養LGチータースのサポーターズREDは
水原サムスンのサポーターズと双璧をなしていたそうだ。

安養LGチータースのサポーターズにとって、
心を一つにして安養LGチータースを応援することは、
生活の一部であり、生き甲斐のようになっていた。

勝てば酒を酌み交わして1週間いい気分で過ごし、
負ければ悔しい気分で1週間を過ごし、
そんな生活がずっと続いていくと思っていた矢先のこと。

2002ワールドカップの後、
ソウルのワールドカップ競技場が空いたままだったので
「ソウルに来たいサッカークラブはいないですかね~?」
という話が出たそうだ。
そしてその時に手を挙げたのが、LG。
LGとしても、大都市ソウル、しかも設備の整ったソウルワールドカップ競技場がホームの方が良かったのだろう。

その話はあっという間にまとまってしまい、
2004年に、安養LGチータースはFCソウルとなった。

ビックリしたのは、安養LGチータースのサポーターズ。

「ソウルに我々の大事なサッカーチームを取られた」
とデモを起こし、散々、大騒ぎした。
しかし、決定は覆らず、安養にサッカーチームは無くなった。

1500人くらいた大規模サポーターズも散り散りになって消滅し、
みんな、意気消沈し、生き甲斐を失ってしまった。

そんな彼らが、
「自分たちの手で市民サッカーチームを作ろう」
と立ち上がる。
市長に掛け合い、市の議員たちを説得するが、
なかなかうまく進まない。

全国のKリーグサポーターズたちにも応援を頼み、
Kリーグの試合のたびに
「安養の市民サッカークラブの創設を支持します」
という垂れ幕が、全国のサッカー場にかかるようになる。

そういう昔の動画も、映画の中にはたくさん挟まっていた。

そしてついに、安養に市民サッカークラブ、FC安養が誕生したのは
9年後の2013年。
Kリーグの2部リーグからのスタートだ。

安養LGチータースはリーグ優勝するような強いチームだったのだけど、
FC安養は市民サッカーチームで、大企業経営のチームではないため
財政的に厳しくて一流選手が呼べないので、
チームは弱くて、試合のたびに負けていたそうだ。

FC安養のサポーターズたちは、
負けても負けても、成績が最下位でも、
決して怒ったり罵倒したり嘆いたりしなかったそうだ。

「FC安養というチームが存在してくれるだけでいい。
応援できるチームがいてくれるだけでいい。
それだけで幸せ」
とサポーターたち。

泣けるじゃないですか。

どんなに弱くても、
いつもありがとうと励まし、
差し入れをしたり、食事をおごったりしながら応援してきたそうだ。

そして、2019年。
成績がいつも最下位に近かったFC安養は、
Kリーグ2で3位という好成績を上げ、
Kリーグ1に昇格できるチャンスが来た。

REDはみんなで心をひとつにして応援したけれど、
結果は、昇格できなかった。
みんな涙を流して、
来年も頑張れ!変わらず応援するよ!
としていた時に訪れた、コロナ禍。

REDはサッカー場に応援に行けなくなった。。。

ここらで映画は終わる。


今シーズン、なんと、FC安養は今、Kリーグ2で1位なのですよ。
このまま行けば、1部リーグに昇格できる!

でもサポーターズたちは
「自分たちはどっちでもいいんですよ。
もちろん、上がれたらいいと思うけど、
上がれなくても、ずっと応援します」

サッカーの狂ファン(韓国ではこう呼ぶ)のことはなかなか理解しにくかったけど、
この映画を観たら、なんだか理解できるような気がしてきた。


選手たちはサポーターズに支えられて頑張れる、
サポーターズはチームのおかげで日々の仕事や日常が頑張れる、
お互いに、力と希望を与え合う関係。
これはサッカーに限らないと思う。
誰だって、何かしら、心の拠りどころになる存在がいるものだ。

サッカーファンに限らず、
この映画は、そういうことに気付かさせてくれる。
良い映画だった。





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Last updated  2024/08/01 07:42:53 AM
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