テーマ:Jazz(1961)
カテゴリ:ジャズ
西海岸ジャズの代表として忘れてはならない奏者の本領発揮盤
バド・シャンク(Bud Shank)は、1926年オハイオ州生まれのジャズ・ミュージシャンで、2009年に82歳で亡くなっている。幼い頃にクラリネットを始め、やがてサックス奏者として活躍していった。アルト・サックスのほかに、テナー、バリトンも演奏し、さらにはフルートの名手だった。ウエスト・コースト(西海岸)・ジャズのサキソフォン奏者と言えば、アート・ペッパーが代名詞のようになっているが、バド・シャンクも忘れてはならない存在である。 本盤『ザ・バド・シャンク・カルテット(The Bud Shank Quartet)』は、1956年にロサンゼルスで録音されたパシフィック盤である。表題の通り、ピアノトリオ+アルト・サックス(およびフルート)というワンホーン盤であるが、クロード・ウィリアムソンがピアノ奏者というのも目を引く点で、バド・シャンクを生かそうとする演奏がとりわけ妙である(ジャケットには“フィーチャリング・クロード・ウィリアムソン”の表現も見られる)。 さて、肝心のバド・シャンクの演奏であるが、アート・ペッパーのような天才的閃きといった感じとは大きく異なる。クールさを装いながら熱い演奏をするというのが、筆者の感じている彼のアルト演奏の全体的な印象である。このような印象に特によくあてはまる曲の一つが、1.「バッグ・オブ・ブルース」である。いかにも西海岸クール風な演奏から始まり、曲が進むにつれて次第に盛り上がってホットな演奏へと移行していく。同じような特徴を持った演奏としては、10分近くに及ぶ長尺の7.「ウォーキン」もいい。 一方、バド・シャンクのフルート演奏にも注目したい。2.「ネイチャー・ボーイ」はフルートとピアノが一体となって醸し出す抒情感がいい。6.「ノクターン・フォー・フルート」は、ピアノのウィリアムソンのペンによるナンバーで、ノクターン(夜想曲)の表題通り、夜の静寂を思い起こさせる美しい演奏を披露している。 最後に、ゆったりとしたバラード曲をやったらどうなるかという意味では、3.「オール・ジス・アンド・ヘヴン・トゥー」が面白い。とにかく優しいバド・シャンク節は、聴き手を病みつきにさせる魅力を存分に持っているように思うのだけれど、いかがだろうか。 [収録曲] 1. Bag of Blues 2. Nature Boy 3. All This and Heaven Too 4. Jubilation 5. Do Nothing till You Hear from Me 6. Nocturne for Flute 7. Walkin' 8. Carioca [パーソネル、録音] Bud Shank (as, fl) Claude Williamson (p) Don Prell (b) Chuck Flores (ds) 1956年1月25日録音。 Bud Shank バドシャンク / Bud Shank Quartet Featuring Claude Williamson 【CD】 CD/ザ・バド・シャンク・カルテット (解説付) (限定盤)/バド・シャンク/UCCQ-9386 次のブログのランキングサイトに参加しています。 お時間の許す方は、クリックで応援をよろしくお願いします! ↓ ↓ お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2021年11月22日 17時29分55秒
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