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Apr 4, 2010
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旧ソ連の残した遺産て何かな?
皮肉にも抑圧によってもたらされた精神性の高い芸術全般、
ある程度守られた社会主義的な平等、
そして教育水準や識字率の高さ・・
これらは今はなき、懐かしくさえ感じられるエステティックな一面だ。

しかし、それらをすべて帳消しにしてしまうほどの
恐ろしいまでの負の遺産はいったいどう解釈すればよいのか。
今もなお地域全体が大きな後遺症に悩まされるセミパラチンスクの核実験、
死のアラル海に象徴される各地での深刻な環境問題、
国家解体後の周辺諸国の民族浄化の歴史など、
許されるべきことではない数々の過ち、嫌、犯罪行為。
まだその傷口からは血が流れ続けている。
すべてはつい最近、ほんの20年前に起こった出来事なのだ。
日本がバブルではじけていた頃、地球の裏ではこんなことが起きていた。

アゼルバイジャンも、ほんの20年前にできたばかりの若い国だ。
しかし、旧ソ連からの多くの独立国の例にもれず、
独立の際に血で血を洗う大きな民族紛争を経験している。
アルメニアとの確執の根源ともなる、「ナゴルノ・カラバフ」問題により、
80年代後半から両民族の紛争は各地で激化しており、
同時に、弱体化したソ連からの民族独立運動も高まりを見せていた。

1990年1月20日、アルメニア人を保護する名目で、
実のところは独立運動を鎮圧させようとした旧ソ連政府の軍がバクー市街に侵攻、
罪のない民衆約200人を殺害するという無差別テロを遂行した。
これはアゼルバイジャン人の民族虐殺の悲劇であり、
さらに独立運動の興奮を高めるきっかけとなった。

この「黒い1月」事件はアゼルバイジャンにとっては忘れられない悪夢、
1月20日は最も意味深い日として歴史に刻まれている。

バクーの小高い丘の上には、
「黒い1月」の際に亡くなった犠牲者の墓地と、
独立戦争で命を落とした殉死者のための慰霊碑がある。

a18.jpg

ここにはアゼルバイジャン国旗の横にトルコ国旗も掲げられている。
戦没者の中にはトルコ兵も多くいたのだ。
余談だが、つい最近トルコで行われたサッカーの親善試合で
トルコがアゼルバイジャンの国旗を掲げなかったことを理由に、
この戦没者墓地でのトルコ国旗が降ろされ、外交問題にまで発展した。
なんつーか、考えるのもバカバカしい低レベルな痴話喧嘩である・・・。
しかし、今日行ってみたところ立派なまでに風にたなびいていたので
どうやら仲直りしたらしい。

a17.jpg

この地はもともと天然ガスが沸くらしく、
モニュメントの下部には絶え間なく炎がともっている。

150人近くの犠牲者の墓石が並び、それぞれの顔が墓石に刻まれている。
生きていれば私と同じ年の人もいるのだ。
お墓には、カーネーションがささげられていた。

a15.jpg

亡くなった方達の墓石を一つ一つ見てゆくと、
つくづく旧ソ連の愚かささ加減に憤りを感じざるをえない。
もちろんその手の権力の餌食は現在だってどこにでも存在しているが・・。
イラクをガタガタにしたアメリカだって馬鹿だし、
それを食い止めることができなかった国際社会全体、我々が馬鹿だ。
すべての悪の根源は「恐れ」なのかもしれない。
身を守るために人々が沈黙を保つことを選ぶようになった時、
もうその社会はとっくに終焉しているのだ。
もしくは、もっと恐ろしいのは
政府の命令は絶対だという盲目的な従順さかもしれない。
従順さは時に倫理を超越し、人を殺すことすら厭わない。
主人に褒められ餌をもらうためには何だってするドーベルマンが
世の中で一番恐ろしいネガティブな破壊力を持っている。
そういう環境に身を置いた時、
自分が感化されないよう強い精神力を持たなければならない。
少なくとも私は違うと胸を張って言えるように。


さあ、景色でもみてすっきりしよう・・・!
a16.jpg

ここはバクーの中でも一番標高が高い地点。
バクー湾とアシェロン半島が一望できる。

これが独立20年で大きく変貌した首都バクーの姿。
この先10年でさらに大きく変化してゆくことだろう。







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最終更新日  Apr 5, 2010 06:43:35 AM
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