軽度発達障害は病気なの?:前頭葉の働きとの関連
前頭葉は人で著しく発達している領域(約30%)です。他の動物では、チンパンジーでも5%から10%程度しかないのです。軽度発達障害の多くは病気と言われる病気ではないのです。 ある意味では、高度に発達した人間社会で起きる文明病なのです。 ですから、発展途上国では少なく、欧米と日本で著しく多いのです。以下に前頭葉が傷害を受けた場合の高次脳機能障害の症状を書いてみます。 良く似ていることがおわかりかと思います。 1)社会的行動障害: すぐに他人を頼るようなそぶりをしたり、子供っぽくなったりします。 我慢ができなくて、何でも無制限に欲しがります。 例えば、好きなものを無制限に食べたり、飲んだりします。 場違いの場面で怒ったり、笑ったりします。 固執傾向が強くなります。 例えば、一つのものごとにこだわって、容易に変えられず、いつまでも同じことを続 けることもあります。 自分では何もしようとはしないで、人に言われないと物事ができない状態も見られます。 2)遂行機能障害 行き当たりばったりの行動をしたり、逆に指示がないと動けない等、目標を決め、計画 し、実施するといった一連の作業が困難になります。 3)注意障害 気が散りやすかったり、ひとつのことに集中することが難しかったり、また、疲れやす く、長い時間作業につくことができないこともあります 4)失行症 動作がぎこちなく、道具がうまく使えないなど、手足は動くのに、意図した動作や指示さ れた動作ができないなどの症状です。 5)失語症 うまく話すことができない、人の話が理解できない、字が読めない、書けない等の障害。 6)半側空間無視 自分が見ている空間の片側を見落としてしまう障害です。そのため、食事で片側のものを 残したりします。片側にあるものにぶつかったりすることもあります。 7)半側身体失認 麻痺した手足がないかのように振舞ったり、麻痺がなくても片側の体を使わないなどの症 状が見られます。 8)地誌的障害 家を出てから家に帰れなくなったり、自宅のトイレがわからなくなったりすることもあり ます。地理や場所についての障害です。 9)失認症 物の形や色がわからない、よく知っている人の顔がわからない、見分けられない等の認知 の障害です。 10)記憶障害 物を置いた場所を忘れたり、同じことを何回も質問するなど、新しいことを学習し、覚え ることが難しくなります。これらの1~5番の症状を見ますと、 軽度発達障害の子どもと非常に良くにていることがおわかりかと思います。 アスペルガーの子、LDの子、ADHDの子の行動と良く似ているのです。 さらに軽度発達障害の子の場合、一つの症状だけでなく2つ3つ症状が重なるのです。 これは前頭葉の発達が不十分と言う状況を考えれば当然のことなのです。子どもにいろんなことをやらせないと、 前頭葉が充分に発達せず、このような症状となるのです。これまで度々書いていますように、 前頭葉は、体験学習で良く発達するのです。<こころ> 人気ブログランキングに参加しています。クリックお願いします。m(_ _)m どんぐり学園の公式ホームページはこちらです。