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2012/02/16
カテゴリ：テレビ
テレビ朝日で日曜の夜にやっている「シルシルミシル」。毎回、いろんな企業を取材してその企業の仕事や内容を紹介するいわば「雑学番組」です。
ですが枝郎にとってこの番組は、毒が非常に強すぎて好きになれません。 おしゃべりに毒のあるくりいむしちゅーが司会を務めているのも一因ですが、それよりももっと、ＶＴＲのナレーションがひどく慇懃無礼極まりないからです。 「教養番組」らしい真面目そうな口調。しかしそのなかには、取材先や出演者を遠回しにおちょくり、小馬鹿にしたようなフレーズが見え隠れしています。出てくる言葉は中傷すれすれ、誹謗すれすれ、侮辱すれすれ、冒涜すれすれ、名誉棄損すれすれ…こんなにも「潜在的乱暴」な番組は見たことがありません。 もしですね、こんなナレーションを付けられ、取材先やスタジオゲストのかたに不快感を与え、それで訴訟・賠償沙汰になったらどうなるのでしょう？これって何だか傷口に薬を塗るのではなく、塩を塗って悪化させるような感じです。これじゃあ「シルシルミシル」ぢゃなくて、「ミルミルシミル」ですね！ こんな「エセ雑学教養番組」を平気で制作し、野放図にする局の姿勢を、思わず疑ってしまいます。「シルシルミシル」の真裏でやっている「鉄腕DASH」（日本テレビ）のほうが、本当の「雑学教養番組」だと、僕は思います。「鉄腕DASH」は教育番組に近いテイストですから、「質的劣化」が著しい民放の番組のなかでは安心して見られます。 「シルシルミシル」の実情を見ていると、「民放の雑学教養番組はどうしてこんなに堕落しちゃったのだろう」と嘆き、悲しんでしまいます。少なくとも1990年代半ばまでの民放のそれらの番組は、取材と撮影に手間とお金をかけ、本当に万人受けするものでした。 ところが今はどうでしょう。企業との迎合やなれ合いで手軽に取材をして、芸人たちに取材ＶＴＲを見せて彼らの面白いリアクションを抜粋してそれらを適当にくっつけるだけに終始しています。制作側は「こうすれば受ける」と錯覚していますが、視聴者の見る目は冷淡です。特定の世代にしか受けないし、ましてやこんな杜撰かつ無神経な演出・制作手法に閉口しているからです。 こういう時代だからこそ、真面目な雑学教養番組を作り、国民の知識向上に貢献しなければ、本当にテレビは衰退してしまいます。 お気に入りの記事を「いいね！」で応援しよう
最終更新日
2012/02/18 01:00:48 AM
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