カテゴリ:森田療法と他の療法について
神経質な人は自殺はしない。ガン等の大病にはかからない。
アルコール依存症、ギャンブル依存、薬物依存、セックス依存、ネットゲーム依存症にはならない。 こうしたことを森田理論に詳しい人から聞くと妙に納得して信じ込んでしまう。しかし現実は違う。 神経質な人でも自殺する人がいる。ガンにかかる人がいる。依存症に陥っている人がいる。 言われている事と現実のギャップに愕然として、そういうことを言う人は信じられない等という。 そしてことあるごとに反発する。どちらの意見も一理あるようだ。 これについて私の見解はこうだ。神経質性格を持っている人は、心配性である。 自己内省力が強い人である。こうしたいという欲望があっても取り越し苦労する。 悲観的なことばかりが頭に浮かんで、逃避的になる。 例えば、結婚適齢期になり、あの人だったら結婚してみたいなと思える人が現れるとする。 でもその気持ちを打ち明けてあっさりと断られたら自分の面子が潰れてしまう。 また共通の知人等におもろおかしく噂話をされたらたまったものではない。 そんな思いをするぐらいなら、告白することはやめておこう。 そうこうしているうちに、その人は他の人と結婚して永遠に自分のもとから去ってしまう。 後に残るのは後悔ばかりである。 これは、神経質者は夢や欲望は人一倍強いのだが、抑止力、制御機能がそれ以上に強いのが災いして行動できないのである。 ある程度の抑止力や制御機能は生きていく上で絶対に必要である。 それが自殺を押しとどめる。体の不調を察知してすぐに病院に行く。 依存症に陥る前に手を引くことができる。等有効に作用することがある。 だから一面では心配性、自己内省力というのはありがたいものでもあるのだ。 先の話では、神経質者はその傾向が普通の人よりは強く働くということを述べられているのだと思う。 反発する人は美しき誤解があるのではなかろうか。 言葉は森田先生も言われているように誤解を招きやすい。その証拠に人はよく嘘をつく。 言葉は役に立つものではあるが、100%信用することはできない。 おおよその見当をつけるぐらいにとどめておく方が望ましい。 そのことを自覚して使う必要があるのではないだろうか。 ここで依存症について一言。 依存症というのは本能的欲望に対する抑止力、制御機能が働かないことから引き起こされる。 依存症に陥ってはならないということは、本人がだれよりも自覚しているのである。 本来、動物も持っていると言われる本能的欲望に対しては抑止力、制御機能が自動的に発動して社会に適応することが大切である。 ところが大脳で調整機能を担っている「眼窩前頭皮質」が機能不全を起こしているのである。 詳しくは5月9日の投稿記事を参考にしてもらいたい。 その結果、依存症を持ち合わせた神経質者はどういうことになるか。 夢や目標の達成に向かっては強力に抑止力や自己内省力が働いて手も足も出ない。 行動力や実践力が抑えられる。成果が上がらないので悶々とした生活に甘んじるようになる。 反面動物的な本能的な欲望に対しては抑止力や制御機能がまったく効かないで欲望の暴走が起きてくるのである。 本人は二重に苦しんでいるのである。相反する特徴が両極端に出ているのである。これはとても苦しい。 どうすればよいのか。 まずは依存症から取り組む必要がある。医療の力を借りる。自助グループのお世話になる。 一瞬でも手を抜くと元の木阿弥なる可能性が高い。 その上で神経症の克服に向かうことをお勧めしたい。 本格的に森田理論の学習をすることである。 この点に関しては、私が30年あまり学習をした経験から自信を持ってお勧めすることができる。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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