カテゴリ:森田番外編
トランス脂肪酸の弊害についてはご存じだろうか。
トランス脂肪酸とは、植物油は常温では液体であるので取り扱いが難しい。 さらに酸化しやすいという問題もあります。 そこで食品会社が考えだしたことは、水素を添加して、植物油の性質を常温でも固形化することでした。 空気中でも酸化しないものに変えれば使い勝手がよくなるということでした。 これは自然界には存在しないものです。 パンつけているマーガリンはトランス脂肪酸そのものである。 コーヒーフレッシュはミルクだと思っている人が多いがトランス脂肪酸である。 ファーストフードのフライドポテトは2年くらいは腐らないという。 その他食品表示にショートニングと書かれているものがある。 マーガリンの仲間で、トランス脂肪酸が多量に含まれている。 ファーストフード店では、植物性シートニングを高温で溶かし、これを揚げ油として使っているのである。 このことを科学者たちは、「オイルをプラスチック化」するというそうだ。 トランス型になった脂肪酸が人間の体内に入ると、分解や代謝に大変なエネルギーと時間を消費し、大量のミネラルやビタミンを消費することが分かっている。 しかも、体内で活性酸素を発生させる。 私たちの体の細胞膜は脂質で構成されているが、トランス脂肪酸を取り込むと、必須脂肪酸の役割を果せないばかりではなく、細胞膜の構造や働きが不完全なものになる。 さらにトランス脂肪酸は、身体のコレステロールのバランスを崩してしまうため、心臓病を誘発することも分かっている。 そして糖尿病の発症にも深くかかわっている。 これは、すい臓からインスリンが分泌されても、それを受け取る細胞膜の受信機能が鈍くなってしまうためだ。 トランス脂肪酸の影響を最も受けやすいのが脳であるという。 それは、脳の60%が脂質でできているからだ。 イギリスオックスフォード大学のピュリ医師らは、トランス脂肪酸が脳の活動に必要な酵素を破壊し、注意欠陥障害(ADD)や注意欠陥多動性障害(ADHD)などを引き起こす要因になると報告している。 また、アメリカ神経学会の学術誌(2004年)に発表された論文によると、トランス脂肪酸を多く摂っている高齢者は認知症になりやすいという。 脳を構成する脂質は、不飽和脂肪酸のオメガ3脂肪酸が欠かせない。 これが不足してくると、トランス脂肪酸が構成材料として使われる。 その結果、脳の細胞膜が不安定になり、脳の伝達機能が衰えてしまうのである。 アメリカのC・ベイト博士は、トランス脂肪酸が慢性的な抑うつ症状や疲労を生み出していると報告している。 トランス脂肪酸の摂取が精神障害を招き寄せているというのは衝撃的である。 そういうものに囲まれて生活しているという認識は持って置いたほうがよいと思う。(心の免疫学 藤田紘一郎 新潮社 103ページ) お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2023.01.29 06:35:48
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