カテゴリ:感情の法則
森田全集第5巻の676ページに赤ちゃんの夜泣きの話があります。
安田さんという方が子どもの夜泣きがうるさいので、奥さんに赤ちゃんの機嫌をとって泣かないように対処してくれと言われていたそうです。 これに対して森田先生曰く。 「アアうるさいな、なんとか泣きやませる方法はないものか」 どうすればいいだろう。叱ろうか・懲らしめてやろうか・菓子でもやってみようかと、いろいろ考えながら、自分の仕事をしている間に、いつとはなしに、子どもが泣きやんでくる。 なるほど子供は泣くだけ泣けば、泣きやむものだという法則を発見する。 安田さんは赤ちゃんが夜泣きするのでイライラしていたのでしょう。 その不快感をすぐに取り除きたいと考えて奥さんに何とかしてくれとお願いされています。 同じく森田全集第5巻の459ページに次のように書いてあります。 この間5つになる女の子を熱海に連れて行った。感冒で熱が38度もあった。 機嫌が悪くて、いろいろ駄々っ子をいう。 寝ていなければならぬといっても抱っこをしてくれと言って泣く。 抱っこをしてやれば今度は「外へ行く、外へ行く」という。 熱があって気持ちが悪いから、風に当たればよかろうと、子どもながらに考えるのでしょう。 少し訳の分かった母親は、子供の駄々っ子は、いい加減にあしらって、静かに寝かせておくが、気の軽い親は、別に深い思慮も何もなく、子供のねだるままに、なんでもその通りにしてやって決して病のためにならない。 普通不快な感情、小さな不安があるとすぐに対処しようと考えます。 それは不快感はあってはならないものだと考えているからです。 不快感を放置していると、どんどん増悪して手が付けられなくなる。 結果的に短絡的で思いついたことを手あたりしだい実行する。 とにかくそのときの不快感や不安がなくなるか、弱まればよいという気持ちに支配されています。 森田先生は、こういう不快な感情は少し我慢すれば時間が解決してくれる。 湧き上がってくる不快感をすべて取り除いてすっきりしようとするのは慎む方がよいといわれています。 感情の法則④では、「感情は、その刺激が継続して起こるとき、注意をこれに集中するときに、ますます強くなるものである」とあります。 少々の不快感や不安は、我慢する、耐える姿勢が大事になります。 不快感は池のなかを泳ぐ錦鯉のように自由に泳がせておくことです。 第三者的、客観的な立場に立ってその不快な感情にきちんと向き合うことです。 あなたは今わがままな子どもの態度にイライラしていますね。 寝不足になると明日の仕事に差し支えると思っていますね。 どうしてよいのか分からないでおろおろしていますね。 きちんと向き合うと、短絡的で破れかぶれの言動で対応することがなくなります。 反対に不快感を払拭しようと考える人は、不快感にとっては格好のカモが現れたようなものです。 いつまでもしつこくつきまとい、人間関係を壊し、凡事徹底を軽視させるようになります。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2024.06.04 09:25:51
コメント(0) | コメントを書く
[感情の法則] カテゴリの最新記事
|
|