カテゴリ:森田理論の基本的な考え方
森田理論は、一定の所に留まってそのまま静止するのではなく、刻々と変化する状況を捕まえて、素早く変化に対応していくという考え方です。
神経症的な不安、恐怖、違和感、不快感などもその方向で対応することが大事です。いつまでも関わり続けると、精神交互作用でアリ地獄に落ちてしまいます。 変化対応力を鍛える面では参考になる話があります。 セブン&アイ・ホールディングスの鈴木敏文氏は、「顧客は移ろいやすく、飽きやすい集団と化している。加えて、好況、不況、産業構造、人口動向などのマクロ的変化、天候、気温、地域性などのミクロ的変化によって、顧客のニーズは日々刻々と変化している。こうしたいかなる変化にも素早く対応することが大切である」と指摘されています。 セブン・イレブンの店舗の仕入れ商品はすべて買取である。 売れ残った商品はメーカーに対して返品はできない。 自分の店の負担となる。売れ残りは発注精度に問題があると判断する。 自分の失敗を棚に上げて、安易に値引き販売するという方法は、お客様のニーズに真摯に向き合う気持ちが希薄であるととらえる。 また売れ残るよりも、在庫切れを起こすことはさらに問題だという。 これはお客様に最も迷惑をかけているというふうにとらえている。 これを販売の機会ロスというそうだ。 同じ店であっても、平日と土日、祝日では並べる商品がちがう。 給料日の前と後ろでも品ぞろえを変えている。 雨が降りそうならビニール傘、寒い夏ならおでんというふうに即座に対応している。 セブン・イレブンは一店として同じ品ぞろえをしていない。 立地、商圏、客層特性、他店との競合状態によって当然違うものにならざるを得ない。 セブン・イレブンは1988年8月に夏季の交通渋滞地域である三浦半島および南房地区の米飯配達にヘリコプターを使ったという。 2004年中越地震の際にも、ヘリコプターで大量のおにぎりを運んだ。 これはいかに輸送コストがかかろうとも、状況の変化の中でお客の需要がある限り、お客様のニーズにこたえる責任と義務があると認識しているからである。 セブンイレブンの発注システムは変化対応の歴史そのものであった。 レジを通った商品データーは即座に販売データとして記録されている。 これも商品発注の精度を高めるために活用されている。 時代の変化が生み出す様々な環境与件の変化の前には、過去の強者、覇者といえども明日は保証されない。 変化対応力こそが生き残るすべてである。世の中は変化こそが常態である。 であるならば、自己革新は我々人間の生き方として第一に重視しなければならない。(「創造的破壊」経営 緒方知行 小学館文庫) お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2024.03.24 11:08:49
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