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カテゴリ:神社仏閣巡り
「建仁寺(kennin-ji)」を後にし、さて次も京の冬の旅で紹介されている「六道珍皇寺(rokudo-tinno-ji)」に向かいます。ここも以前行ったことがありますが、本堂は閉まっていて見ることが出来ませんでした。格子窓の隙間からお庭を覗くと、小野篁(Ono-no-Takamura)縁の井戸が奥の方に見えました。今回のお目当ては、この井戸。冥界へ通ずるという伝説の井戸です。この寺院も、「建仁寺」の塔頭の一つ。
ちょうど裏手の道をテクテク歩いていると、こんな木戸を発見。何やら真新しい扉。 「小野愛宕権現」という扁額と、立て看板に「黄泉がえり之井」の字が!!急いで、入口に回りました。 今回は、この「小野篁卿舊跡」を訪ねます。 手前にあるものはすっとばし、拝観料を払って本堂に。薬師如来像・日光菩薩像・月光菩薩像の三尊が祀られていた。その部屋の欄間には、小さな地蔵菩薩像が規則正しくビッシリ並んでいて、これは浄土を表しているのだそうだ。 隣の部屋には、寺宝の地獄絵図が掛けてあった。 ちょっと異様な雰囲気の「焔口餓鬼図(enku-gaki-zu)」。中国道教の面燃大士だそうで、仏教で言うところの観音菩薩の化身なんだとか。これだけ風貌がかけ離れていると、当時の民衆でも戸惑うだろうな。ただ、焔口餓鬼は、日本で3件しか現存せず貴重なんだって。 100年ぶりに修復された江戸時代の「熊野観心十界曼荼羅図」。中央に「心」という字が書かれてあり、その下には死後の六道の世界が絵解きのように描かれている。字の読めない民衆にも地獄の様子がわかる(死んだらとっても怖いよ~、だから生きているうちにいいことしようね~みたいな)。 また、160年ぶりに修復された桃山時代の「珍皇寺参詣曼荼羅図」。よく見ると、篁が冥界に行くのに使ったという井戸が描かれてある。 あ~あかん、どうしても江口夏実の『鬼灯の冷徹』を頭を過るなぁ。 さてと、庭に面した渡り廊下に出る。 あら、水琴窟(suikin-kutu)があるんですね。チョロチョロと心地よく響きます。 音が綺麗なので、お水も澄んでいて綺麗な気がしてきます。この器もいい感じ。 以前、格子窓から覗いた庭。 こちら側にも部屋があった。室内いっぱいに若手のアーティストによる屏風が飾られていた。新地獄絵図「篁卿六道遊行絵図屏風」。小野篁がとても美しくシャープに描かれてあったよ。 「竹林大明神」と「冥土通いの井戸」。 庭に下りてもいいとの事で、井戸の底を覗きに行く。う~ん、よく見えない。小野篁は夜、ここから冥土に行って冥界の閻魔庁で冥官を勤めていたのだとか。 で、この「黄泉(yomi)がえりの井戸」から人間界に帰ってきて、昼間は朝廷の役人をしていたという働き者。あの木戸は、最初に見た扉の裏側だ。そしてそれが真新しいのは、最近になって以前ここを所有していた民間の方が、家を改修した時にこの井戸を発見。それを知ったこの寺院が買い上げたのだそうだ。 さて、本堂を出ました。 以前、気がつかなかった「延命地蔵大菩薩」。 前に来た時は、この「閻魔堂(enma-do)」は格子窓が閉まっていて、その隙間から覗きましたが、今回は特別公開に合わせて開けてくれています。 「小野篁立像」を中心に「冥官像」・「獄卒像」が脇を固めます。お、直接よく見ると、獄卒の手の指が4本、足の指が2本なんだ。そして、デデデ~んと、「閻魔大王座像」。 こちらも扉が開いています。「薬師堂」。こちらに納まっているのが、最澄作(平安時代)のご本尊の木造「薬師如来坐像」(重要文化財)。隣の「毘沙門天立像」は空海作だそう。ほほぅ、天台宗の開祖と真言宗の開祖か。元々は、この寺院は真言宗。 さあ、そろそろお暇致しましょう。松原通を西に歩いていくと、気になるお店を見つけました。 「京名物・幽霊子育て飴・みなとや」。 あぁ、聞いたことがある、このエピソード。 ある女が、夜な夜な飴を買いに来る。不思議に思って後をつけると、墓場で消えてしまった。その墓地の住職に尋ねると、数日前に身重の亡くなった女だという。確かめに行くと、女の遺体の上で飴を舐めながら泣いている赤ん坊を見つけた。我が子を育てるために飴を買い求めていたのだという話。 味のある看板。 『ゲゲゲの鬼太郎』は、この飴の話が誕生のキッカケになったのだそうだ。 「六波羅蜜寺(rokuharamitu-ji)」の通りに、こんな稲荷社を見つけました。民家の壁の狭間を利用した「相槌稲荷大明神」。 消えかかってる…。何でも相槌を打って、願いを叶えてくれる神様なのかな。 「六道珍皇寺」のお地蔵さん。何か言いたそう。 (2016年2月上旬現在) お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2016.08.13 09:08:49
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