「『ひとりではいられない』症候群~愛と孤独と依存症をめぐるエッセイ」(カトリーヌ・オディベール、訳・平野暁人)を読みました。
内容紹介
「絶対的な孤独感から自分を守るためあらゆるものに依存を余儀なくされる現代人の病理を豊富な臨床事例から解読、その処方箋を提示する 」
孤独に耐えられるのは、両親の愛情を受けて育ったおかげと言う感じ。
冗長な繰り返しが多く、途中で読むのを止めてしまったが、これを書きながらもう一度読んでみた。
やはりあまりよく理解できないが、最後の翻訳者のあとがきの方が分かりやすかった。
「安らぎとしての孤独」と「苦しみとしての孤独」。本書を貫く鍵概念として繰り返し語られるこのふたつの孤独を、「ひとり」と「ひとりぼっち」と言い換えてみると、問題の輪郭がより明確になるのではないでしょうか。「ひとり」で過ごせる時間は快適でも、「ひとりぼっち」にされる時間は耐えがたい。
翻訳もそう訳して欲しかったなあ。満たされないから依存行動で満たす。依存は完全な心の崩壊から守る命綱でもあった。依存を一方的に断罪したり強制的に治療することは、暴力的でもあると。
「やり場のない不安、慢性的な自己嫌悪、絶望に踏み切れないことへの絶望といったぬかるみに足をとられかけながらも、歩み続けるすべての人々ーそれはもしかするといつかのわたしであり、あなたであり、わたしやあなたの大切な誰かかもしれませんーを蝕んでる孤独のなんたるかを知り、その心にそっと寄り添う。」
孤独とはそんなに悪いものじゃないと思えてきました。一人は淋しいけど、それに耐えられる自分でありたいですね。