テーマ:DVD映画鑑賞(13600)
カテゴリ:外国映画 さ行
ホームの崩壊をハウスの崩壊で見せてくれるなんてなかなかしゃれた趣向じゃん。 この作品に関しては原作の絵本より面白かったです。 かつて小学校の読み語りで呼んだ『ジュマンジ』。面白い絵本でした。そして、映画化もされました。でも、この作品は映画化は話を膨らませすぎ。テーマがずれてしまっていました。そして、その続編として、数年後に出された『ザスーラ』は、テーマが出すぎていて説教くさくて、「ジュマンジ」ほど面白くなかった。 でも、映画化されてみたら、こちらは原作より面白い。 宇宙が舞台の話なのですから、映画にはうってつけですね。ま、『ジュマンジ』も面白かったですけどね。 冒頭親子でキャッチボールをするシーン。なんともアメリカ的でハッピーなシーン。いいお父さんだなと感心して見てますと、だんだん子守に飽きてきた父親は声を荒げはじめてくる。実はこの家庭、母はいない。どうも離婚しているようです。一見幸せそうにみえるアメリカ映画にもすでにハッピーだけを描けない現実が忍び寄ってきているようです。 かつて、幸せで豊かなアメリカは、世界中にアメリカの幸せを真似するようにと、宣伝に余念がなかったものですが。 だから、豊かで豪華な豪快なアメリカ映画をみながら、いつかあんな生活を手に入れるんだと憧れをこめて見ていたものです。 けれど、家庭崩壊、学校内暴力、離婚が当たり前の夫婦、家庭、そんなものが現実になり、世界的にもアメリカがその豊かさの追求のために世界中に戦争を仕掛けていることが、世界的に批判されている今、アメリカ映画を豊かで幸せな世界としてみることはできなくなっているわけです。 そしてさらに、個人主義を追求するあまり、逆に個人の幸せが犠牲になっている現実を現代のアメリカに見ることができる。 原作では、この家庭の夫婦は二人でそろって知り合いのパーティーに出かけていきます。ごくこぐ普通の幸せな家庭です。その留守中に兄弟二人ではじめたゲームによる物語なのです。けれど、映画化するにあたって、設定は大幅に変わり、ママはいない。ママのいない家庭がすでにアメリカのスタンダードになっているという皮肉。 この家庭でも、家族はそれぞれ自分のしたいことだけをして、自分の希望だけで、生きて、暮らしている。母親はすでに別居しているし、父親は仕事優先で、休日の子供を家に残して出かけてしまうし、姉は弟たちの面倒を見ることより、ボーイフレンドと遊びに行く事が最優先。にいちゃんのウォルターも、弟なんて要らないと言って遊び相手もしないで、地下室に閉じ込めようとする。それぞれがそれぞれの願望だけで生きていれば家庭は崩壊するらしい。 そして、「ザ・スーラ」のゲームをする中で、兄のウォルターは、願いをかなえられるカードを引いた時、他人のために自分の願いごとの権利を使うにいたって、自分自身をも救うことができる。 自分の願望だけでは、生きていけないんだと言うのがこの物語のテーマのようです。 ところで原作には出てこない姉や、宇宙飛行士などの参加によってお話はふくらみを増し、ゾーガン星人はものすごく過激。おもちゃのようなちゃっちいロボットもパワーアップして、家は破壊されまくり。 まあ、その、世界中から報復され返しているアメリカに見えないこともないですね。 原作は兄弟は仲良くしなくちゃね。という話でした。 世界は一家。人類はみな兄弟 なわけですから、アメリカも世界中にけんか売って、威張って兄貴風ふかしてないで、兄弟なかよく、世界中の国々とも仲良くしてほしいものです。 てことで、映画自体は単純に見た方がもちろん楽しいです。
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