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2009年10月19日
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カテゴリ:高校生の話
高校はいよいよ今週から中間試験です。来年は、娘もいよいよ受験生で、勉強するのも受験科目に絞られてきますが、今はまだ高校二年生。できれば、いろんな分野を勉強してほしいですが、中学の時ほど内申は受験に影響しません。ので、定期テストも、どこまでやるものやら。

そうはいっても、赤点とったらたいへんです。なんてことに関係なく、勉強しております。

今の時期高校二年生は、古文で『伊勢物語』の『小野の雪』をやっているようです。娘に意味がわからないと、昨日聞かれました。「古文の先生が授業で説明してくれたでしょう。」と聞くと、あんまりちゃんと聞いていなかったから分からないといいます。おいおいおい、塾とか、勉強以前に、まずちゃんと授業聞かなくちゃだめじゃん。

で、私も説明のために読んでみたのですけれど、よくわからない。ネットの現代語訳を読んでもよくわからないです。高校の古文って私が高校生の時もよくわかりませんでした。高校の古文って、文法を勉強して、現代語訳してそれでだいたい終わりです。その文章が何を意味していて、何をいいたいのかとか、古文の平安時代の時代背景とか、その時の生活習慣とかは、あんまり説明してくれないのですよね。だからよく分からない。大学に行くと、国文学なんかだと、先生も大学教授なので、とても、専門的で詳しい説明をしてくれるので、大学の時の方が専門的に勉強する割には、高校より分かりやすかった気がします。それまでに自分も受験のために勉強しているせいも、あるのかもしれませんが、やはり大学は、プロフェッショナルな授業をしてくれます。あ。だから、大学教授のことをプロフェッサーっていうんですね。プロフッショナルな仕事をする人。

で、ネットをいろいろ見ても、訳はのってるんだけど、その内容の具体的な説明ってなくて、私も娘に説明するのに、苦労しました。今もう一回調べ直して、現代語訳を見てみると少しだけわかってきましたが。このアタリが、高校生がいつまでたっても、古文ができるようにならない理由でしょうかねえ。うちの子だけ?


『小野の雪』原文はこちら

現代語訳はこちら


『小野の雪』は、惟喬親王と、その部下の右馬頭の物語です。

二人は、離宮(別荘みたいなものです)で、鷹狩りをして、その後、都に戻ってきます。親王を宮中まで送った後、早く帰ろうとする右馬頭に、親王は鷹狩りのお供をしてくれた御礼に、褒美をくれたり、お酒をだしてくれます。そして、右馬頭を引きとめようとする。早く帰りたい右馬頭ですが、親王のためにその夜は、ひきとどまって、一晩二人で語り明かし、飲み明かす夜を過ごしました。
この時に右馬頭が読んだ歌が、

本当は早く帰りたいのですが、親王が強く引きとどめるので、このまま残って今宵は一緒に過ごしましょう。けれど、今は春なので、夜が短い。秋の夜長なら、もっとゆっくりと長い時間を過ごせるのに残念です。

と、いう意味だと思います。でも、現代語訳や説明では、ここまで解釈できません。私の解釈なので、違うかもしれませんけどね。右馬頭は、たぶん、親王が小さい頃からずっとお仕えしていて、かわいくてしょうがないのではないでしょうか。大好きなんですね。きっと。
親王のわがままに対して、「しょうがないなあ」と思いながら、ほんとは嬉しくて楽しいのではないでしょうか。

さて、ここで疑問なのが、どうして、秋の夜は長くて、春は、短いの?

秋は、日の出が遅く日の入りが早いので、夜が当然長くなります。でも、この物語の時期は三月で、夜明けが早く、日の入りが短いので、夜が短いのですね。

このあと、親王は出家してしまいます。この時にまた、右馬頭がたずねていきます。親王がいる比叡山のふもとの小野というところ。正月で雪が深く、仕事のある右馬頭は、もっと親王と一緒にいたかったのですが、しかたなくそうそうに帰ってしまいます。
彼はこの時、昔、一緒に鷹狩りをした時は、親王のひきとめられるままに、夜を過ごしたのに、今は、こんな雪深いさびしいところに一人で仕事もなく、することもなく、さびしくすごす親王を哀れに思い、その親王を置いて帰らなければならないことを辛く思い、悲しく思うという物語です。

翁と書かれているので、右馬頭は高齢で親王より年上なのだと思いますが、親王は、親王であっても、皇太子ではなく、天皇になれるわけでもなく、仕事があるでもなく、出家するしかない立場です。生きがいもなく、父王のいた若い頃は親王として大切にされ、わがままに振舞っていたけれど、年を取ると仕事もなく、することもなく、居場所をもなく、出家するしかなかったのでしょうか。この時代、親王はたくさんいたので、天皇になれない親王のほうが多かったのだと思います。

そう思うと、光源氏は、子供の頃に父の帝の決断で、親王のままでなく、臣下にくだされて、親王でなくなっています。源氏の母の実家はすでに父もなく、力のない家なので、バックアップのない源氏の君は、親王のままでいても、将来天皇にはなれないでしょう。だったら、親王のままでいるより、臣下となって仕事を持って働き、自分の稼ぎで堂々と生きていった方が、頭のいい源氏の君の能力を宮中でくさらせることなく、生かして、生きがいを持っていきていけるだろうと決断した桐壺天皇は、えらかったと、思います。

でも、現代は、跡継ぎがいなくて困ってるのだから、タイムジャンプして跡継ぎをつれてこれるといいのですのにねえ。

というのはいいとして、こういう親王とその部下の、ビジネスライクじゃない人間関係や、心の交流やつながり描かれた物語なのですよね。でも、文法やって、現代語訳だけやって、とりあえず、暗記してテスト受けても、そういうのは、わからないし、だとすると、高校で古文勉強している意味ないでしょうにねえ。

それとも、このアタリの説明本当はちゃんとやっているのでしょうか。うちの娘が聞いてないだけかな。しょうがないなぁ。




さて、それではもう少し深読みして、どうして右馬頭は、鷹狩りの時は、残ったのに、小野では、そうそうに帰ってしまったのでしょうか。
一度目は、親王は、親王として社会的に高い立場でした。だから、右馬頭が翌朝の仕事に遅刻しても、親王に引き止められたからであれば、責められることはなかったのでしょう。
でも、出家して社会的に力のない親王のせいで仕事に遅刻すれば、言い訳は聞かないし、仕事のなくなる危険性もあります。だから、右馬頭は、早めに帰ってしまうのです。
ここで親王の社会的な立場と権力の違い、変化があるのです。
そういう、社会の権力の変化や不易流行、栄枯盛衰に似た感覚が、世の中の権力の移動、立場が変わると、仲のよい臣下であっても、そうそうに帰ってしまう哀しさ、世の哀れが語られている物語でもあるのだと、思います。



以上は、私の勝手な解釈なので、間違っているかもしれません。ご了承ください。



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最終更新日  2009年10月19日 09時44分07秒
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