テーマ:アニメあれこれ(26114)
カテゴリ:映画★アニメ
メデューサという奇病の発症により、世界は混乱に陥れられる。その中で、コールドスリープによって、病気の治療法の解明された未来へと、患者たちを送り出そうとした。けれど、コールドスリープからめざめたその世界は、建物中にはりめぐらされた巨大ないばらと、つぎつぎにおそってくるモンスターの巣窟だった。はたして、ヒロインたちは、そこから抜け出せるのだろうか。
という、スタートは、なかなかおもしろそうで、スピード感あふれる前半はなかなかにおもしろかったのですが、後半は、話がややこしくわかりづらく、みおわってみると、一体どんな話だったのか、ちんぷんかんぷん。でした。 というわけで、あらすじの書いてあるブログで、ストーリーと設定の基本を確認しつつ、物語のテーマを解明してみましょうね。 劇場版 いばらの王(King of Thorn)感想 ネタバレ有り レビュー&自力の考察 よくこんだけ話を解明できたものだなあっと、関心しちゃいましたが。↑ 人の持つ想像力をその人間の細胞を変化させて、具現化できる宇宙生命体。 はじめは、病気と、思われていたものは、実は、隕石によって宇宙から飛来した一種の生命体(エーリアン?)だった。 いろいろみていくと、「エヴァンゲリオン」と、とてもよく似た物語です。 その生命体は人に寄生(?)して、その人間のもつイメージあるいは、望むものを具現化できる。 シズクの望んだものは、勇気をもって、前向きに、きびしい現実をいきていくカスミだった。 だから、カスミが死んだ時、シズクの中のメデューサは発動し、シズクのイメージする理想のカスミが作り出される。 コールドスリープからめざめたカスミは、シズクのつくりだした理想のカスミ。だから、茨の城から脱出し、茨の道を歩いて、未来へと、向かっていくというラストになっていく。 手首の傷がなかったのは、シズクのイメージする前向きに生きていく強いカスミだから。イメージからつくりだしたのだから、シズクがのぞめば、手首に傷のあるカスミも作り出せたはず。でも、シズクがのぞんだのは、手首を切ったりしないつよいカスミ。だから、シズクからつくりだされた、カスミには、傷はない。 茨というのは、「エヴァンゲリオン」の中にでてく、ATフィールドと同じで、きびしくてつらい現実から、カスミを守っているもの。 でも、物語前半で、カスミは、その茨から抜け出そうとする。シズクののぞむ強いカスミだから。 でも、本物のカスミのからだは、茨にまもられて、眠ってしまっている。厳しい現実と対峙することなく、いばらに守られて。 けれど、ラスト、カスミを現実から途断して、まもっていた茨は、石化し、砕け散る。 厳しいいばらの道を歩き始める。 さて、主人公のカスミは、双子です。双子のもう一人は、シズク。 名前も印象的ですね。霞なんて。弱くて、生命力も存在感もうすい主人公をイメージして、つけてある名前ですね。 もう一人の名前は、シズク。 それは、希望、の最後の一滴。 さてさて、二人が争って死んでしまった時。死んだのはいったいどっちなのか? この決定次第で、物語の解釈も多少違ってきますね。 しんだのがカスミという設定でここまでの解説をかきましたが、 もし死んだのが、シズクの方だとしたら。 コールドスリープするのは、カスミのはずでしたが、カスミは、シズクに生き残ってほしいと、望んでいました。シズクがコールドスリープの資格を得られるように、自分が死ねばいいと、手を切って、自殺しようとしたりもします。 けれど、自分以上に生き残ってほしいと、望んでいたシズクが、目の前で死んでしまったカスミは、そのショックからメデューサを発動してしまいます。彼女のかたわれとしての、シズクの体を作り出し、カスミが、しずくにこそ入ってほしいと願ったコールドスリープのボックスにしずくをいれ、イバラで守ろうとしました。けれど、ふとしたきっかけで、覚醒してしまったシズクのカラダは、自分をカスミだと思い込み、シズクをたすけようとイバラの建物をぬけだし、カスミの眠るいばらの城の中にと、入っていきます。そして、最後に行き着いたそこには、ほんもののカスミの体と、カスミをまもる幾重ものいばらの森。 本当はねむったままのいばら姫は、おきたくなんかなかったんじゃないの。と。 いばらというシールドに守られて、現実から逃げたまま、ずっとねむっていたかったのかもしれないと。 けれど厳しい現実から自分をまもっていてくれたはずの唯一の存在であるシズクを失い、その事実を再確認したカスミは、もう、いばらの中にいることはできなかった。 どんなに厳しくつらい現実世界であっても、人は、そのいばら道を、強く生きて行かなければならない。 強く生きていける自分へと変身することはできるはず。 弱い自分も、強い自分も、どちらも、メデューサによって作られる同じ細胞。同じ自分。なのだから。 強い自分をイメージしさえすれば、かならず、変わっていけるはず。 そして、厳しい現実にくじけずに『いばらの道』を、生きていってと、『いばらの王』つまり、いばらという厳しい現実に打ち勝って、茨を支配する王となれという、そういうメッセージのこめられた物語なのだと、思います。
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作品を見終わった後、ストーリーの解釈はできたんですが、引っかかるものがあり、レビューを探してここにたどり着きました。そして、引っかかっていたものが何かを知ることができました。それが…
作者のメッセージ ストーリーを追うのに手一杯で「いばら=人生の苦難」というあまりに単純な解を見失っていました。 「苦難、トラウマ、克服、開放」そして、「願いが夢を現実にする」という繰り返されるメッセージ。 生きるのは辛いが、思いがあれば未来は開かれる… なんとなく作品に即していないと感じた「いばらの王」という題名そのものが、作者のメッセージだったと思え、ぴったりの題名だと思えるようになりました。 良い考察をありがとうございました。 (2011年09月10日 21時58分14秒)
通りすがりさん
こんにちは。^^ こういうコメントをいただくとがんばって記事を書いてよかったと、うれしく思います。 記事を書くためにいろいろと考えるのはしんどい部分もありますが、楽しい部分もあります。 みただけで終わりにせずに、いろいろと考えてみるのは、実はたのしいことです。 ここまで探してきてくれてありがとうございます。 ほかにもいろいろいい作品にであえるといいですね。 コメントありがとうございました。 (2011年09月12日 19時31分44秒) |
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