ー機動戦士ガンダムTheoria(テオリア)ー ガンダム・テオ ー
ー機動戦士ガンダムTheoria(テオリア)ー― ガンダム・テオ ーー プロローグ No2 ーこの人物は、ジオン思想を信望する活動家として暗躍する反面、表向きは遺伝子、生物工学が専門分野の博士として知られている 特に、藻をはじめ様々な植物の葉緑体の器官および、メタン菌、補酵素等の微生物等の細胞組織の遺伝子操作は得意で、それらの細胞と電気作用を付加した 二酸化炭素分解と化学原料の生成等の技術にも定評があったこうした研究の成果は、資源が著しく乏しく密閉され、限られた空間であるコロニーの内部で、かなりの業績を上げ評価されていたが、 ここまでの道のりの中には、アクシズでの経歴が目を引き、連邦政府から疎んじられた時期もあったそれでも確実に評価されていく彼の功績の数々は、宇宙移民構想が太陽系全体に広がりつつある中で、地球連邦政府内でも貴重な逸材として、その存在を知らしめる事となっていた しかし、それでも、ここへきて、政府によるレジスタンス活動の取り締まりが、より一掃厳しくなり、権威ある学者でさえも、それらに手を出していた者は、 重い刑罰がかせられ処刑されていき、いずれ、その身にも危険が及ぶ事は明らかだった そうした状況のもと自分の身の振り方を模索し、考え喘いでいる中、、ある事業者から開発協力の要請の話しが舞い込んでくる事となった この事は、厳しい監視下から、誰にも怪しまれる事なく自然な流れで、地球から離れる絶好のチャンスだったそして、この話しを承諾し荷物をまとめ向かった先は、地球から5000万km離れた金星領域だった 金星は火星や月に比べ劣悪で過酷な環境を持つ惑星で、400℃以上ある熱と90気圧にまで膨らんだ気体が存在し、 大気には濃硫酸が雲となって存在しているさらに極めて遅い自転速度によって大地は極端に熱せられ、物質が気化し、気圧の低下を狙った気体の採取は、いたちごっこに終わっていたそうした事から火星、月に比べ、金星のテラフォーミングは開発が遅れていたが、しかし、年々、 小規模な惑星居住地において長時間、低重力にさらされた事による病気の発病が増加の一途をたどり、そうした状況下で、 地球の重力とほぼ変わらないという立地条件と、地球と金星間の航行に、VASIMR(比推力可変型磁気プラズマロケット)ジェット機で一週間とかからないという利便性から、この惑星に対する環境整備が見直されるようになっていた この取り組みは、まだ初期段階にあたり、 その足場として、金星から150万キロはなれた軌道上、ラグランジュポイントL2に、30基ほどのコロニーと、アステロイドベルトから水資源として運ばてきた、氷天体の小惑星が数個群れをなして、 ビーナスサイドと言われていた 金星の高度4万キロキロメートル上空の極地域には太陽パネルの羽を伸ばした5000メートル級の静止衛星プラント(工場設備)が数十基飛びかい、その衛星の下部からは、特殊合金製の細いホースが寄り集まって形成された、直径10メートルのパイプが大気圏に向かって伸びている 大気圏の内部には、金星の持つ高い気圧から生じる浮力を利用して、フローティング・プラントといわれる (本来フローティング・シティーと言われていますが 工場施設としての利用なのでプラントにしました)50メートル程の大きさの特殊合金の球体が、空中にいくつも浮かび、高度によって主成分の違う大気を抽出する為に、球体が浮かぶ位置は、内部のコンピューターで浮力を自動制御され、それぞれに高度が一定に保たれて安定していた それらの全ての球体の上部には、衛星から伸びているパイプが直結されていて、球体から吸入された気体は、気体の種類によって性能の違う衛星プラントに送り届けられ、そこで化学処理、凝固化処理されている また、静止衛星とフローティング・プラントの機能の種類には金星の熱エネルギーと圧縮力を利用し、細かく砕いた氷天体を、静止衛星とフローティングの間を循環させ、化学反応を促せる為に、2本のパイプが繋がれているのも存在している 静止衛星プラントおよび、フローティングプラントで凝固化、または化学反応され液化したものは、定期的に運搬船に積まれ、ビーナスサイド内にある、植物培養コロニーに運ばれ、その間まま使われるものや工場施設コロニーに運ばれ、再度化学処理され、燃料や資源として多方面にわたり利用されていた しかし、水分は、人の生活に欠かせないのはもちろんの事、 化学処理をする際にも大量に使われ非常に少なく需要が高かった 金星周辺のコロニーの建築には、主に、水星で掘削された鉱物資源が使われ、その鉱物資源と一緒に、氷も運ばれていたが、それらを掘削し採取した物を運搬する手間の割にはたいした量が運べず、その結果、2ヶ月程という往復の時間はかかるものの、協力なプラズマエンジン搭載の大型船で、アステロイドベルトから定期的に氷天体をけん引してきていた アステロイドに行く傍ら、燃料補給中、休憩ポイントとして火星領域コロニーを 利用していた事もあいまって、行きには凝固化した気体の運搬と交易も兼ねていたが、 それまで、大した値段が付けられなかった気体が、ここにきて、火星での、レアメタルの産出によるゴールドラッシュ同様の現象によって、それを目当てに集まる人だかりで火星周辺コロニーは大きな賑わいをみせ、過密化したコロニーを補う為に、惑星地表基地やコロニー増設等の、住環境設備が急ピッチで行なわれるようになっていたその為に、それら施設を満たす気体は、必要不可欠な物であったが、火星には元々、気体が少なく、そうした事から、二酸化炭素でも貴重なものとして扱われ、いい値段で取り交わされるようになっていた 他にも、火星領域のコロニーには、同じように、ここを補給中継地点として利用している木星船団の姿もあり、火星流域コロニーでは、様々な船団同士が 個々に交易を始め、そこからもたらされる情報によって、今後、金星の命運をを大きく分ける事が起こる切っ掛けを作る事になる にほんブログ村