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パワースポット@神の島「Okinawa」

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2022.09.06
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カテゴリ:中城村

(ウガン/伊集ノ嶽)

沖縄本島中部にある中城村の最南端に「伊集(いじゅ)集落」があり「伊集原・下原・前原・宇宙原・上原・崩原・後原」の7つの「ハルナー/小字」で構成されています。戦前の集落は「伊集原」の一帯と「下原」の東側の一部に集中して集落が形成されていました。さらに「前原・宇宙原・上原・崩原・後原」のほとんどは畑地が広がっていました。「伊集集落」の東側に隣接する「和宇慶(わうけ)集落」との境にある「後原」は「ウガンヤマ」と呼ばれる山があり、その深い山中に「ウガン」と呼ばれる御嶽があります。「古島」という昔の集落がこの「ウガンヤマ」一帯にあった説と、「上原」に位置する「ユージドゥン/世持殿」一帯にあった説が「伊集集落」には伝わっています。


(ウガン/伊集ノ嶽)

(ウガン/伊集ノ嶽のヒヌカン/火の神)

(イーントーカー/上登井戸)

「ウガンヤマ」の北東側のマーニ(クロツグ)が生い茂る山中に「ウガン」の祠があり内部には石造りウコール(香炉)が3基祀られています。「ウガン」は1713年に琉球王府により編纂された「琉球国由来記」には『伊集ノ嶽 神名 和宇慶ウラソデバナノセジ御イベ』と記されており、この御嶽は「伊集集落」では昔から「イナグ神/女神」として拝されています。「ウガン」の祠に向かって左側に隣接するもう一つの祠は戦後に「ヒヌカン/火の神」として設けられ、祠の内部には1基の石造りウコールが設置されています。「ウガン/伊集ノ嶽」から北側に山を登った位置には、御嶽と対の関係を持つ「イーントーカー/上登井戸」があり「チュクサイヌカー/一鎖ヌ井戸」とも呼ばれています。この井戸には昔から残る古い石造りウコールと新しいウコールが2基並んで祀られています。


(ニーヤ/根屋の神屋)

(神屋の神棚)

(神屋の神棚)

「伊集集落」の創始家である「ニーヤ/根屋」のムートゥヤー(本家)は屋号「アガリ/東利」で姓は「アラカキ/新垣」です。「アガリムンチュー/東利門中」は伊集で最も大きな門中で「ユージビチ」と呼ばれています。伝承によると「東利門中」の初代は勝連城主の「阿麻和利」を討った「大城賢雄/鬼大城」の次男腹「大城賢忠」であると伝わります。「大城賢雄」が第二尚氏に討たれると「大城賢忠」は伊集に逃げ延び「先代ノロ」と呼ばれる女性に助けられました。やがて「先代ノロ」と「大城賢忠」は子供を授かり、その子孫が現在の屋号「東利」だと言われています。「神屋」の仏壇には初代から継承される2幅の「観音菩薩図」が祀られており、更に「ガンス/元祖神」と呼ばれる初代から7代までの子孫が祀られた仏壇には7基のウコールが設置されています。


(神屋のヒヌカン/火の神)

(夏氏系図)

「ニーヤ/根屋」は「琉球国由来記」に『与儀根所』と記されており、更に『毎年六月、為米初、神酒壱同村百姓中供之。同巫ニテ祭祀也。』との記述があります。「神屋」の仏壇に向かって一番左側には「東利門中」の「ヒヌカン/火の神」が祀られており、3体のビジュル(霊石)とウコールが設置され沖縄線香のヒラウコー(平御香)が供えられています。「東利門中」の家紋は「夏氏」で「大城賢雄/鬼大城」が元祖であると伝わっています。伊集の「ニーヤ/根屋」のご主人で「大城賢雄」の末裔である新垣氏から貴重な「夏氏系図」を頂きました。『天孫氏廿五代/一代思金松金國王』から始まる系図は『十六代長男/榮野比大屋子』と続きます。その後『夏氏大宗一世長男/夏居数越来親方賢雄』から十八世『諱崇徳摩文仁親雲上賢貞』まで記されており、最後に『文化財保護委員会専門委員 林清国 誌すから写す 松田賢善』と記帳されています。


(ターチマーチュー)

(ターチマーチューのウコール)

(ターチマーチューのクサイヌカー)

「後原」にある「ウガンヤマ」の西側に「東利門中」に関わりがある「ターチマーチュー」と呼ばれる拝所があり、かつてこの地には「東利門中」の関係者が暮らした屋敷があったと伝わります。戦前は2つの大きな松の木が生えており、その中間にウコールが置かれていたと言われます。「ターチ」は沖縄の言葉で「2つ」を意味し「マーチュー」は「松の木」を指す事から「ターチマーチュー」という名称が付けられたと考えられます。現在は祠が建てられ内部にウコールが設置されており、この拝所の周辺にはかつて屋敷に使われていたと思われる人工的に加工された古い石材が現在も多数残されています。「ターチマーチュー」の北側約25メートルの場所には拝所と対になる「ターチマーチューのクサイヌカー」があり、石造りのウコールが設置される井戸跡となっています。


(シルドゥングヮー/地頭火ヌ神)

(シルドゥングヮーのクサイヌカー)

「伊集集落」の北側で「伊集原」と「後原」の境に「シルドゥングヮー」と呼ばれるコンクリート製の拝所があり、ウコールと3体の霊石が祀られています。間切を治める地頭職の補佐役にあたる役職である「夫地頭/ブージトゥー」の屋敷跡だと言われており「地頭火ヌ神」とも呼ばれています。一般的に「夫地頭」は非常勤で任期は3年、定員は一間切から2〜8名と言われていました。「シルドゥングヮー」の祠から北西側に隣接する畑の中にはこの拝所と対の関係となる「シルドゥングヮーのクサイヌカー」と呼ばれる井戸があり「チュクサイヌカー/一鎖ヌ井戸」の名称でも知られています。「夫地頭」の屋敷の生活用水や農業用水として使用されていたと考えられ、この井戸にはウコールが設置されており門中の年中行事で拝されています。


(ヌンドゥンチ/ノロ殿内)

(ヌンドゥンチ/ノロ殿内の拝所)

「ニーヤ/根屋」の南西側に「ヌンドゥンチ/ノロ殿内」があり、拝殿の内部には「ノロヒヌカン/火の神」「御先世・中が世・今が世を示す3基のウコール」「久高島へウトゥーシ/御通し(遥拝)する1基のウコール」が祀られており、更に集落の守護神である獅子が安置されています。この「ノロヒヌカン/火の神」は「琉球国由来記」には『伊集巫火神』と記されており『伊集巫崇所。毎年三・八月、四度御物参之時、有折願也。』との記述があります。「伊集ノロ」は「サンカヌル」と呼ばれ「伊集・和宇慶・津覇」の3つのシマの祭祀を管轄していました。伝承によると「伊集ノロ」には2人の姉がいて、長女は「久高ノロ」次女は「棚原ノロ」であったと言われています。「ヌンドゥンチ/ノロ殿内」に向かって左側に隣接した場所には拝所の祠があり、内部には3体のビジュル(霊石)と1基のウコールが祀られています。


(ヌンドゥンチ/ノロ殿内のゲーン)

(アシビナーの井戸)

「ヌンドゥンチ/ノロ殿内」は戦前まで瓦葺きの建物で現在よりも前方に建っていました。今のコンクリート製の建物がある場所には、かつては細長い池があり鯉を飼育していました。この鯉は「伊集集落」の所有物で、集落の子供が病気になると親は字にお金を支払い鯉を購入し子供に食べさせたと伝わります。「ヌンドゥンチ/ノロ殿内」の敷地の中央部は「アシビナー/遊び庭」と呼ばれ、戦前までそこに舞台があり盛大な「ムラアシビ」が行われていました。「ヌンドゥンチ/ノロ殿内」入り口の上部には「ゲーン」と呼ばれる魔除けが飾られており、十字の中央には沖縄の粗塩が入った悪霊祓いの「マース袋」が吊るされています。更に「アシビナー」の北側には井戸跡が残されておりウコールが設置されています。


(アンディガー/ヌールガー)

(アンディガー/ヌールガーのクチャ溶き石)

「ヌンドゥンチ/ノロ殿内」から北西側に位置する畑の中に「アンディガー」と呼ばれる井戸があります。「ヌールガー」の名称でも知られているこの井戸は「伊集ノロ」が髪を洗ったと伝わっています。「アンディガー」に向かって左側には「伊集ノロ」が「クチャ」と呼ばれる髪洗用の泥を溶いた石が現在も残されており「クチャ」を溶いた部分はなだらかな窪みが形成されています。「クチャ」は世界でも沖縄でしか採れない泥で、カルシウムやミネラルを豊富に含み美肌効果がある化粧品として最近は注目を集めています。「アンディガー」の名前は水量が豊富であった事に由来しています。しかし、逆に水が溢れ過ぎても良くないとして、戦前までは近隣の畑まで溝を掘り「アンディガー」の湧き水を流していたと伝わっています。






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最終更新日  2023.06.01 13:24:12
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