暴力があるのは?
未来を生きる君たちへ [ ミカエル・パーシュブラント ] 暴力が暴力を生む世界・・ 子供のケンカから、いじめ、 夫婦喧嘩、大人同士のケンカ、 民族間紛争から、戦争まで・・ いたるところに「暴力」はあり、 その本質を浮き上がらせた作品。 私たちは、たとえば他人やあるいは身近な人からでも、 個人的に批判や攻撃された時は、 やり返してやろう、と思ってしまいがちです。 しかし、経験でもわかるとおり、 仕返しをしても、その時はいいかもしれませんが、 長期的にはいい関係性を築きにくいものです。 それは、「仕返し」という行為自体が、エネルギーレベルの 低い行為なので、そういう人しか集まらないから、ということも あるかもしれません。 ケンカした後、仲良くなる、ということもありますが、 それも幻想で、アメとムチのような上下関係が 入れ替わり長期的な相手のことを考えた 関係性にはなりにくいと思われます。 何か批判されたときに、逆に従順になり、 相手の下手(したて)に出る人もいると思います。 しかし、そういう行為も「怒り」を抑圧したもので、 あるときそれが「弱者」にむけられたりするので危険であると 思われます。 個人的には、抑圧するくらいなら、発散した方がまだ 人間的だと思います。 しかし、その発散も度を超すと大きな争いになるので、 あまりすすめられるものでもありません。 この作品は、人間的な無知による暴力の描写に 徹していたのかもしれない。 それは、本質的なことで、別に映画がそんなに残酷で グロテスクなわけでもなかった。 暴力から脱出する方法、 それは「暴力」とは何か、ということを理解すること、 という示唆に富んでいたと思う。 なぜ、暴力の衝動が出るのか、 暴力によって、どんなデメリットがあるのか、 「怒り」に対処するにはどうするのか? 仏教の話で、確かこんなことを聞いたことがある。 ―たとえ、強盗がいきなりあなたをわけもなく襲い、 殴りかかってきても怒ってはいけない。― どう考えても、そんな境地は無理だと思われますが、(笑) しかし、お釈迦様は生きる上でそういう境地を 人生をかけての目標にしましょう、というような ことを説かれたようです。 (詳細は別の本で・・) 暴力が生むものは何もない、 それでも小さなことから、この世界には暴力があって それは無知によって引き起こされる。 そういいうことを知った上で、 わたしたち、あるいは未来の子供たちに何を 残し伝えなければならないのか・・ その最後は希望の垣間見える作品だったと思う。。 長くなってすいません、、^_^; おやすみなさい~