読了、東野作品!
むかし僕が死んだ家 (講談社文庫) 読み終えました。東野東吾さんの才能、すごいですね。緻密に伏線をはりながら謎解きを進めていく。引き込まれつつ、胸を痛めながら読んでいました。幼児期の抜け落ちた記憶。自らの過去も顧みつつ、ここまで掘り下げている推理調作品。虐待が幼児に与える影響。自らを防衛する本能から、記憶を消してしまう。そんな環境に育ちたくなくても、自ら両親や環境を選んで生まれてくることはできないせつなさ。自分を産んでくれたほんとうの親に育てられたいですよね。しかし、人生にはさまざまな障害が横たわっている。私の場合も、母親は5歳のとき、眼前で倒れ、植物状態で臥したままになってしまいました。そして、8歳のとき他界しましたから。脳溢血でした。単に小説として読む、といっても、つらいものがあります。ここに登場する主人公の私と、幼児期の記憶がすっぽりと抜け落ちている沙也加。二人とも、途中からべつの親に育てられたことが分かります。 「本と旅の世界」でもふれました。インターネット案内