★『世界の終わり』(長野綾雄作)に寄せて
★『世界の終わり』(長野綾雄作)と姉妹編 ★『虚業の日常』(長野綾雄作)に寄せて、触れておきます。このような売れない作品を書いていますが、頭の中には無意識に椎名麟三という作家の作品のことがあったのでは、と思っています。明治44年生まれで昭和48年3月28日に脳内出血で亡くなっていますが、心臓病でも苦しんでいたと思います。日常性の中で、個人主義と全体主義の共存する世界のことを考えていたと思います。これを実現するのは、絶対者(神)の存在だと。この作家に加えて、遠藤周作さん。そして氏をめった切りして評論家としてデビューした上総英郎さん。そして亡くなる数年前、椎名さんの邂逅忌で私が握手を求めたとき、「私と握手しても良い小説が書けるってもんじゃないよ」といって握手を返した埴谷雄高さん。更に「神の痛みの神学」を著した北森嘉蔵先生(授業を受けたのでそう呼ばせていただきます)もう、皆天国へ旅立ってしまいました。 ある夜、私の同人誌の作品を読んで電話を下さった大学教授で評論家の上総英郎さん。ノーベル賞作家のモーリヤックの小説を遠藤周作さん亡き後を継いで翻訳されていたのですが、遠藤周作さんが私に上総さんを紹介してくださった。そして、上総さんは、”21世紀への遺書”と題する『閃光の記憶から』を著して天国へ旅立ってしまわれた。私は今、旅立たれた師のことを思いながら一人パソコンに向かっています。・・