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テーマ:私の読書(24)
カテゴリ:本
餃子の王将社長射殺事件 一橋文哉 2014年
作者の取材結果によれば、底なしの暗黒世界に墜ちていくようなどんよりした気持ちになってしまいます。 、 創業者の偉業を台無しに社業を壊滅させた跡継ぎ、その不始末を原点に立ち返って苦難の末、一致団結して克服し、見事に復活を遂げ、更に躍進を続ける。こうした健やかな実業家の話であったものが、一転、深い闇との闘いでもあったことに驚きます。 闇の底に引きづり込まれ、命をおとされた無念さはいかばかりであったものか、関係者の悲しみはいかほどのものか、想像を絶します。 本書に登場する犯罪集団、仲介者、協力者の存在は、知る由もありませんが、闇のむこうにこうした欲望と暴力と狡猾な試みが蠢いているとすると、恐ろしくなります。姿を変え、仮面を被ってビジネス世界に巣食っていて、チャンスとみるや暴力的に全く別の戦闘部隊を投入して、けどられずに儲けを手にしているとすると、企業の防衛にも限界があり、警察、検察の奮闘に期待するしかないように思います。 銃の大量潜伏にも驚きます。アメリカほどではないにせよ、日本の反社は、5から6万丁で武装していて近年は摘発数が減ってきていると。今回使用された口径の自動拳銃などは、アメリカでは年間50万丁流通しているもので、今回の暗殺犯が手配された中国でもめずらしくないようです。 丹羽宇一郎の「中国の大問題」では、中国人は自衛のためにアメリカ人の様に銃を所持しようとしているとありました。2008年のオリンピック前に行われた北京市の「刀狩り」では、軍用銃12万丁、弾丸820万発、販売組織197、爆薬3670トンが摘発されたとありました。中国国内の暴動、騒乱は、年間大小あわせると20から30万件と言われているらしいです。そんな環境で暗躍しているチャイニーズマフィアの残忍さは一際だそうで、それ以外にも中国国内には、抗日に染まる地下組織もあり、日本の集団と連携して人を送り込み、不正国籍取得などを行なっているらしいです。日本国内でも、中国残留孤児の二世三世が中心の暴力集団があるそうです。 深い深い暗黒世界がアジアに拡がっているのでしょうか。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
Apr 1, 2015 10:42:15 PM
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