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2010年07月13日
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――<木谷ポルソッタ倶楽部>――――――――――――――――――――

         ■ルードウィヒ「神々の黄昏」■

――――――――――――――――――――――――<2007/3/27>―――
 
先日の日曜日、「大分映像センター」に出かけた。
週末の映画鑑賞会に参加させてもらうためだ。
春なのに暗い部屋で映画を見る、これもまた良しだ。

まずトキハの「岩手県の観光と物産展」に出かけた。
ふふふふ、盛岡冷麺を喰らふためだ。
スープ、麺ともにおいしかった。満足だ。

今回の映画は、ルードウィヒ「神々の黄昏」という映画だ。
この映画、私は見ていなかった。
監督のルキノ・ヴィスコンティという名前だけは聞いていた。

映画ファンの間では有名な監督らしい。
「ベニスに死す」だけは見たことはある。
哀しいかな凡人の私にはその良さはわからなかった。

確かに映像は美しかった。

そして、今回のルードウィヒ「神々の黄昏」という映画だ。
四時間を超える長さにまず驚いた。
午後一時に始まり、終わるのは午後五時近くという。

ギョッ、エッ、ゲーエッ、なんという映画なんだろう。

     

センターに行く。いつもなら観衆は五人程度だ。
それが十人を超えている。女性が多い。
みなさん、映画をご存知なのだろう。

上映の前に、主催の産婦人科の先生がおっしゃった。

「ルードウィヒは国民の税金を使って、城やワグナーなどに浪費した。
 でもそのノイシュバンシュタイン城は、現在、ドイツの観光の核となって
 世界中から大勢の観光客を呼び込み、ドイツ観光のためになっている。
 ルードウィヒの遺産が今に役に立っているということですかな」

映画は、重く暗く展開していく。
ヴィスコンティ特有の映像美が随所に見られる。
ノイシュバンシュタイン城は撮影に協力をしたが
強引な撮影のためにあちらこちら傷つけられたそうだ。

時代は19世紀、若くしてバイエルンの国王となったルードウィヒが
国家から退位を強いられ四十歳で謎の死をとげるまでの
狂気ともいえる孤独な半生を描く。

     

三年前に行ったノイシュバンシュタイン城が思い浮かぶ。
個人旅行で行ったためかガイドの吉永さんという方が
ルードウィヒの城ばかりを案内してくれた。

中谷さんと吉永さんが真剣に話していたことを思い出す。
ふたりはこの映画と共にワグナーの音楽談義に耽っていたのだろう。

映画を見終わった。拍手はチラホラだった。
そうだよな。拍手をする気が起こらなかった。
最後のキャスティングの文字が流れる中の重い曲が漂う。

う~ん、春の一日、なんという映画を見てしまったのだろう。

映像センターを出た。春の黄昏が迫っていた。

人はそれぞれの運命があり、それぞれの方法で
人生の黄昏を生きていくのだろう。

ああ、おいしいドイツビールが呑みたいなあ。

春が来た。桜が咲いた。うん、今年も、まずは生きていくことだ。

――――――――――――――――――――――――
 人間のためでも、誰のためでもなく、
 それ自身の存在のために自然が息づいている。
 そのあたりまえのことを知ることが、いつも驚きだった。
        (星野道夫著「長い旅の途上」より。
―――――――――――――――――――――――
  ■発 信 者 :木   谷   文   弘
  ■木谷ムラマチ計画研究室





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最終更新日  2010年07月13日 21時20分48秒



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