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2011年12月03日
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――【木谷ポルソッタ倶楽部】―――――――――――――――――<2008/1/30.>――――
            ■ 素晴らしき田舎の人々 ■
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――


今回の入院に際して、私は病室にかなりの本を持ち込んだ。
本を読もう。とにかく本を読んで読んで読み尽くそうと思った。

「木谷さんって、本ばかりいつも読んでいるのね」

看護婦さんたちから冷やかされるぐらい読んだ。

持ち込んだ本の中に、宮本常一さんの著作の本がかなりあった。
そう、なぜか、宮本常一さんだ。宮本常一さんの本がなぜか多くなった。

宮本さんは一般人にもよくわかるように「民衆の歴史」を広めた。
市販の歴史もののほとんどは、政治や経済の動きを権力者の視点から描いている。
それを、宮本さんは民衆の視点から描いている。

それも、宮本さんが日本全国を歩いて聞き取り聞き書きしたものが多い。
そうそう、「忘れられた日本人」など名著が多い。

うん、私が病院のベッドで笑ってしまった話がある。

田舎の言葉のわるい娘が奉公にいって里言葉丸出しで話すので、
その家の主婦がその娘に注意をしたそうな。
「おまえももう少し物にオをつけて話すとよかろう」

すると娘は何にでもオをつけて話をするようになった。
「オクサマ、オ米びつのオ米をオ洗っておきましょうか」
「オクサマ、オご飯がオ炊けました」

主婦はわずらわしくなって注意をした。
「もう少しオをなくしたらよかろう」

素直な娘だ。すぐに注意を実行した。すると、これもまた困ったことになった。

主婦が娘を呼ぶと、娘は答えた。
「クサマ、何でございましょう」
オの字をとったのである。

「クサマとはなんだね」
「ハア、オクサマのオをとったので……」
「それはとらなくてもいい。ところで豆はどこに入れてあるのかね」
「ハア、豆はケの中にあります」

ふふふ、宮本常一さんの本の世界は田舎パラダイスでっせ。
入院している間、宮本さんの本を読みながら、私は思った。

「早く元気になって、田舎をゆっくりと旅したいな。
 そう鈍行列車に乗って、そう桜の花の咲く頃にね……ああ」

―――――――――――――――――――――――――――――――
  木谷 文弘(きたに・ふみひろ)





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最終更新日  2011年12月03日 17時47分00秒
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