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テーマ:木谷ポルソッタ通信より(130)
カテゴリ:木谷ポルソッタ倶楽部ほか
――【木谷ポルソッタ倶楽部】―――――――――――――――――<2008/1/30.>――――
■ 素晴らしき田舎の人々 ■ ―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――― 今回の入院に際して、私は病室にかなりの本を持ち込んだ。 本を読もう。とにかく本を読んで読んで読み尽くそうと思った。 「木谷さんって、本ばかりいつも読んでいるのね」 看護婦さんたちから冷やかされるぐらい読んだ。 持ち込んだ本の中に、宮本常一さんの著作の本がかなりあった。 そう、なぜか、宮本常一さんだ。宮本常一さんの本がなぜか多くなった。 宮本さんは一般人にもよくわかるように「民衆の歴史」を広めた。 市販の歴史もののほとんどは、政治や経済の動きを権力者の視点から描いている。 それを、宮本さんは民衆の視点から描いている。 それも、宮本さんが日本全国を歩いて聞き取り聞き書きしたものが多い。 そうそう、「忘れられた日本人」など名著が多い。 うん、私が病院のベッドで笑ってしまった話がある。 田舎の言葉のわるい娘が奉公にいって里言葉丸出しで話すので、 その家の主婦がその娘に注意をしたそうな。 「おまえももう少し物にオをつけて話すとよかろう」 すると娘は何にでもオをつけて話をするようになった。 「オクサマ、オ米びつのオ米をオ洗っておきましょうか」 「オクサマ、オご飯がオ炊けました」 主婦はわずらわしくなって注意をした。 「もう少しオをなくしたらよかろう」 素直な娘だ。すぐに注意を実行した。すると、これもまた困ったことになった。 主婦が娘を呼ぶと、娘は答えた。 「クサマ、何でございましょう」 オの字をとったのである。 「クサマとはなんだね」 「ハア、オクサマのオをとったので……」 「それはとらなくてもいい。ところで豆はどこに入れてあるのかね」 「ハア、豆はケの中にあります」 ふふふ、宮本常一さんの本の世界は田舎パラダイスでっせ。 入院している間、宮本さんの本を読みながら、私は思った。 「早く元気になって、田舎をゆっくりと旅したいな。 そう鈍行列車に乗って、そう桜の花の咲く頃にね……ああ」 ――――――――――――――――――――――――――――――― 木谷 文弘(きたに・ふみひろ) お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2011年12月03日 17時47分00秒
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