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カテゴリ:木谷ポルソッタ倶楽部ほか
どうも資料の整理ができないほうで、捨てることとしまうことしかできないから、 よく資料がどこにあるか、分らなくなる。 以前、ある方が、捜し物をしていた時に、「人生の半分は探し物をしているようなものだ」と喝破されたので、笑ったものだったが、 ある意味、人生は自分の生きる意味そのものを探しているようなものだ。 探し当てて、天命として安心立命できて、人生をよく生きる人がどれほどいるであろうか。
自らの天命をわきまえた人は、有為転変に揺るがぬところがある。 幸いな時も不運の時も、運命学でいえば、天中殺であっても、自若としてその厳しい試練をさえ感謝して受け止めるという態度となってあらわれるようである。
探し物をしていたら、畏友木谷文博兄からいただいた手紙が出てきて、懐かしく読んだ。 北海道に行った折、共通の友人と すすき野 の ジンギスカン のお店に案内してもらった。 「すみません。コップを一つ余分にください」と友人が、お店の人に頼む。 「亡くなった友人のために・・・・」 二人の生ールを少しづつ 注ぎあって 乾杯した。 「木谷さん、乾杯!! ありがとう」
《木谷さんのお手紙》
去年の夏の終わり、由布院へ行きました。 あるコンサートを聴くためです。 陽が落ちて、私は由布院駅に着きました。 今宵のコンサートは、駅のホールで催されるのです。 「農業歌手っていうか、農業に関する歌を唄う歌い手のコンサートがある。 農業の歌だ。皆、呑んで、歌って、踊ってということになる。 どうだ、今夜、由布院へ来ないかい?」 呑んで、歌って、踊ってか・・・・・これは、行かなくてはいけません。 しかし、前日、コンサートの事務局の平野さんから電話が入りました。 「明日のコンサートは、中止をするかもしれません」 「なぜですか?」 「コンサートの事務局長であるTさんの病状がおもわしくないのです。 でも、コンサートを中止にしたら、彼はきっとがっかりするだろうし・・・・・だからといって、彼に無理をさせるのも何ですし・・・・・・コンサートを開催するか中止するかは、明日また電話をします」 平野さんの声が、ちょっと震えながら重苦しく私の耳元で響きました。 翌日、また、平野さんから電話がありました。 「今朝、病院に行った者の連絡では、Tさんは元気だそうです。コンサートを開催します。」 ちょっとだけ明るい平野さんの声です。 私は行くことに決めました。
夕方、仕事を終えて、私はJRの電車に乗りました。 私は車窓の外へ目をやりました。 稲穂が美しく揺れていました。 いいな。私は完全に旅人になっていました。 大分から由布院まで、一時間、ちょっとした旅気分を味わえます。 しかし、今夕の旅はちょっとせつなく・・・・・・窓の外は次第に黄昏ていきました。 車内に灯がつきました。 窓に私の顔が映りました。 まったく表情がありません。 自分の顔でないような気がしました。
湯の平駅、南由布院駅には改札口がありません。 駅舎のすぐ左側にアートホールがあります。
私はホールの中へ入りました。いい雰囲気が漂っている。 「Tさんは、大丈夫なの?」 私はHさんに尋ねることができませんでした。 その時、会を代表する中谷健太郎さんが飄々と現われました。
(続く)
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最終更新日
2012年10月28日 19時09分59秒
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