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2012年11月23日
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<ちょっと一息> 町づくりには3以上の人が必要です。世界中のまじめな魂との交流が大切。  
 2012年9月に私は北海道の北広島市在住の友人T氏の誘いで、札幌と小樽を訪問した。

東京に勤めていた時、北海道のT氏、大分の木谷文裕氏と交友を結んだ。

木谷氏は文筆が達者で、私家本「健太郎さんと薫平さんに教わったこと」のほか、新潮新書から「湯布院の小さな奇跡」を出版されている。

本に湯布院の健太郎さんらがドイツの温泉の町バーデン・バイラーを視察したとき、ホテルの主人グラウテルさんから、あなた方は町をよくするために何をしているかと一人一人指差されて問い詰められた。

湯布院の3人は、真っ赤になって何も答えられず、それがきっかけで湯布院の街づくりを決意する感動的場面が載っている。

グラウテルさんはこうも言ったという。

「町づくりには3人以上の仲間がいる。世界中の同じ志をもった仲間と手を握ることが大事だ」と。


 札幌農学校の3人組を考えるとき、この固い友情の絆が、彼らが苦難のとき、どれほど頼みになり慰めとなったことを思う。

一方、広井は孤独に自分のうちに沈潜し、信仰の事は人に語ることがなかった。

ピューリタニズムは、人間を孤独にし、人を神と直接向かわしめるところがある。

新渡戸はあだ名をつける名人で、年齢をごまかし農学校に入ったり、農学校の信仰の友にも内証で金を貯め、2期生では一番最初に渡米した等から広井を「ズル」「ズルッコ」と幾分侮蔑をこめたあだ名で呼んだことが宮部宛の手紙にある。

しかし広井が、業(works)による福音を実践し、数々の土木的な偉業を成し遂げるなかで、3人組もその真価を認め、内村鑑三は広井が亡くなった後の葬儀を主宰し、その挨拶で、そのピューリタン的精神をもった工学者として讃えている。


 私の北海道行きの目的の一つは、広井が建造した小樽港北堤防の視察も目的としていた。

T氏は千歳空港まで車で出迎え、北広島市の自宅に寄る途中「札幌農学校に興味があるようだから」とクラークが「Boys be ambitios」と言った島松駅に寄ってくれた。

当時北海道には鉄道はまだ敷設されていず、クラークは苫小牧へと馬で去る時、島松駅の休憩所に寄った。

当日農学校は休み、教員・生徒はここまで見送った。

当時の建物は増築され、案内された方が土木出身の方で

「2期生に広井勇という土木の世界では『広井公式』という波力公式を作り今でも活用されている人がいるが、技術者だから内村や新渡戸ほど知られていなくて」

と残念そうに漏らされ印象的だった。

「私たちは明日、小樽港の広井勇が建造した百年堤防を見に行くところなんですよ」

と言うと喜ばれた。


 翌朝、私達はその後小樽を目指した。

北堤防は小樽の人に聞いても、よく知られていないようで、最初難航したが、建設省小樽港管理所に展示室があり、広井勇の堤防建設に係る資料が展示されていた。

副所長自ら案内し、説明を聞き、貴重な資料もお借りできた。

「今年(2012年)広井勇の生誕150年にあたり、高知の故郷の町でも記念展をやりたいとここに見えられたが、広井勇は知られていなくて」

と言われた。その時に、札幌農学校出身の広井勇をまとめてみたいと思い立ったのである。

しかし、広井はほとんど手紙を残していない。

「『工学博士廣井勇伝』「3書翰より見たる廣井博士」によれば、氏と札幌農学校の三兄弟との書簡において触れられてあり、「内村鑑三氏との信仰上の問題に関する往復の書信などは全部焼き捨てた」とあり、宮部金吾あての14通の書翰が「今は何より尊い資料である」と書かれています」

と北海道図書館にご教示頂いた。

そこで札幌3兄弟の手紙の中で広井も含めた交流をまとめた。

木谷、T、gaiaの交流も記念して。






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最終更新日  2012年11月23日 14時49分53秒
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