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2013年10月13日
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先週金曜日、所用で出かけた折に、久しぶりに野毛の○○屋に寄ってみた。

「おっ、灯りがついている、あいているようだ」

玄関には、看板もかかっていない 一人では見つけることも難しい 一見、普通の家の飲み屋である。

以前何度も新聞でも取り上げられ、補助金の対象となったとき、店主が辞退したという心意気の知る人ぞ知るのお店である。

もう三十年来の長き付き合いではあるが、数年前、店主の二人の老婦人が体調を崩し、入院し、そんなことやで、長らく閉店の日が続いたので、

すっかり足が遠ざかっていた。

すりガラスの引き戸をあけると、「あら、お久しぶりね」と店主がにっこり笑って声をかける。

店内は満員である。アルバイトの女性が奥の座敷につめてくれるようお願いして席をつくってくれる。

「お酒をお願いします」という。

基本的にお任せで、ビールがいい人はいうと出してくれるのだが、基本は桜正宗のコップ酒三杯までで、常連には帰り際、おちょこで少しおまけしてくれる。

おつまみも たまねぎの酢づけから始まって、最後おしんこまで、お酒の進捗に合わせて出してくれる。

アット・ホームにゆったりとした時間を過せる、いわば居心地のいいお店だが、一見の客でも断ることはない、ただいつも満席で、寒夜何十分も外で待って入ったことも何回かある。

大分から畏友木谷さんが来たおりにも、何回か連れていったことがある。

酒を飲みながら楽しい時間を過したものだ。

そういうことを懐かしみながら、一人酒を飲む。

このところ「ボーイズ・ビー・アンビシャス」製作に忙しく、家では全く酒を飲まず、外でもめったに飲むこともなく、ひたすら元資料を作成し続けていた。

印刷屋に原稿を回し、校正もすまして、来週には本が届く。するとすぐに公共・大学図書館への発送を始める。

次の構想「台湾の新渡戸稲造と鈴木藤三郎」に向けて、資料の蒐集と整理を始めたところで、

とりあえずは「米欧留学篇」ができてよかったというところだ。

 

今日、図書館に本を返しにいったついでに、開架書架で台湾の地理あたりの本を見ていたら、近くに木谷さんの「由布院の小さな奇跡」(新潮新書)があった。

ああ、まるで 僕のことを想い出してくれてありがとうと目の前に出現したようだ。

裏に木谷さんの顔写真が載っている。木谷さん、ありがとう、感謝します。

 

「由布院の小さな奇跡」96-100ページより

 南ドイツの、ドイツ、フランス、スイスと三つの国が重なるあたりの黒い森の麓にあるバーデン・ヴァイラーという小さな温泉地を、三人がバス訪れた時のことだ。

 バーデンヴァイラーと人口約四千人と、由布院に似た小さな温泉地だった。小さなホテルのオーナーであったグラテヴォルさんの話に、三人は感動した。その感動が、いまの由布院をつくったと言っても過言ではない。

 中谷が熱い想いで綴っている。簡単にまとめるとこうだ。

「私たち三人が、ドイツのバーデン・ヴァイラーという町で受けたあの衝撃を、なんとか由布院の町の人たちにも伝えようと、わけのわからぬ、子供らしいあがきをはじめたのは事実だった。それは今でも続いている。

 あの日、グラウヴォルさんは私たちに熱く語ってくれた。

『町にとって最も大切なものは、緑と、空間、そして静けさだ。その大切なものを創り、育て、守るために、君たちはどれほどの努力をしているのか?

君は?君は?君は?』

 グラテヴォルさんは、私たち三人を、ひとりずつ指さして詰問するように言った。

 私たち三人は顔が真っ赤になってしまった」

 このグラウヴォルさんの詰問が、三人を奮い立たせた。

 七年後、志出、中谷、溝口の三人は、湯布院の町長を先頭に、約二十人の仲間とともにドイツを再び訪れた。病床の身ながらも、グラテヴォルさんは待っていてくれた。三人が多くの人たちを連れて再びやってきたことに、グラテヴォルさんは大変喜んでくれた。

 その時のグラウヴォルさんの話を、中谷はこれまた感動的に書いている。

「君たちは約束を守った。君たちは長い道を歩き始めた。

世界中どこの町でも、何人かの人が、あるいは何十人、何百人かの、決して多くはない人たちが同じ道を歩いている。

 ひとりでも多くの人が、よその町を見ることが大切だ。

 そして、その町をつくり、営んでいる『まじめな魂』に出会うことが必要だ」

 グラテヴォルさんとの出会いについては、溝口も機会がある度によく話をする。

「まちづくりは、ひとりでやっていては孤立する。

 最低でも、三人は必要だ。

 まちづくりは、大勢の仲間で進めることが大切だ

と、私たちはグラテヴォルさんから教わった」。

 

 

 実にわたくしたちの会も、また藤三郎プロジェクトの活動もこの グラテヴォルさんの示した町づくりの原則に即して実践している。

・ 一人でやっていては孤立する。最低でも三人は必要だ。

・ 大勢の仲間で進めることが大切だ

・ よその町に見ることが大切だ。そして『まじめな魂』に出会うことが必要だ

9月14日の桜川市での報徳の講演会でも 実に七人の仲間が 出かけ シナリオを朗読し、報徳記の「青木村仕法」を輪読し、全員で「報徳訓」を唱和した。

そうしてそういう持続的な活動のなかから、5冊に及ぶ本を発刊し、「報徳産業革命の人」が百を超える、「ボーイズ・ビー・アンビシャス」が80を超える公共・大学図書館の蔵書となり、わずか150ページの小冊子も含めてすべての発刊物を蒐集しようとする公共・大学図書館が日本各地に出現しているのである。

 

 木谷さん、ありがとう、感謝します (^^)/






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最終更新日  2013年10月13日 12時10分18秒
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