全て
| 報徳記&二宮翁夜話
| 二宮尊徳先生故地&観音巡礼
| イマジン
| ネイチャー
| マザー・テレサとマハトマ・ガンジーの世界
| 宮澤賢治の世界
| 五日市剛・今野華都子さんの世界
| 和歌・俳句&道歌選
| パワーか、フォースか
| 木谷ポルソッタ倶楽部ほか
| 尊徳先生の世界
| 鈴木藤三郎
| 井口丑二
| クロムウェル カーライル著&天路歴程
| 広井勇&八田與一
| イギリス史、ニューイングランド史
| 遠州の報徳運動
| 日本社会の病巣
| 世界人類に真正の文明の実現せんことを
| 三國隆志先生の世界
| 満州棄民・シベリア抑留
| 技師鳥居信平著述集
| 資料で読む 技師鳥居信平著述集
| 徳島県技師鳥居信平
| ドラッカー
| 結跏趺坐
| 鎌倉殿の13人
| ウクライナ
| 徳川家康
カテゴリ:木谷ポルソッタ倶楽部ほか
「由布院の小さな奇跡」九六-一〇〇ページより 南ドイツの、ドイツ、フランス、スイスと三つの国が重なるあたりの黒い森の麓にあるバーデン・ヴァイラーという小さな温泉地を、三人が訪れた時のことだ。 バーデン・ヴァイラーは人口約四千人と、由布院に似た小さな温泉地だった。小さなホテルのオーナーであったグラテヴォルさんの話に、三人は感動した。その感動が、いまの由布院をつくったと言っても過言ではない。中谷が熱い想いで綴っている。 「私たち三人が、ドイツのバーデン・ヴァイラーという町で受けたあの衝撃を、なんとか由布院の町の人たちにも伝えようと、わけのわからぬ、子供らしいあがきをはじめたのは事実だった。それは今でも続いている。 あの日、グラウヴォルさんは私たちに熱く語ってくれた。 『町にとって最も大切なものは、緑と、空間、そして静けさだ。 その大切なものを創り、育て、守るために、君たちはどれほどの努力をしているのか?君は?君は?君は?』 グラテヴォルさんは、私たち三人を、ひとりずつ指さして詰問するように言った。私たち三人は顔が真っ赤になってしまった」 このグラウヴォルさんの詰問が、三人を奮い立たせた。 七年後、志出、中谷、溝口の三人は、湯布院の町長を先頭に、約二十人の仲間とともにドイツを再び訪れた。病床の身ながらも、グラテヴォルさんは待っていてくれた。三人が多くの人たちを連れて再びやってきたことに、グラテヴォルさんは大変喜んでくれた。 その時のグラウヴォルさんの話を、中谷はこれまた感動的に書いている。 「君たちは約束を守った。君たちは長い道を歩き始めた。 世界中どこの町でも、何人かの人が、あるいは何十人、何百人かの、決して多くはない人たちが同じ道を歩いている。 ひとりでも多くの人が、よその町を見ることが大切だ。そして、その町をつくり、営んでいる『まじめな魂』に出会うことが必要だ」 グラテヴォルさんとの出会いについては、溝口も機会がある度によく話をする。 「まちづくりは、ひとりでやっていては孤立する。 最低でも、三人は必要だ。 まちづくりは、大勢の仲間で進めることが大切だ と、私たちはグラテヴォルさんから教わった」。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2014年05月18日 05時23分03秒
[木谷ポルソッタ倶楽部ほか] カテゴリの最新記事
|