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2014年05月18日
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「由布院の小さな奇跡」九六-一〇〇ページより

南ドイツの、ドイツ、フランス、スイスと三つの国が重なるあたりの黒い森の麓にあるバーデン・ヴァイラーという小さな温泉地を、三人が訪れた時のことだ。

バーデン・ヴァイラーは人口約四千人と、由布院に似た小さな温泉地だった。小さなホテルのオーナーであったグラテヴォルさんの話に、三人は感動した。その感動が、いまの由布院をつくったと言っても過言ではない。中谷が熱い想いで綴っている。

「私たち三人が、ドイツのバーデン・ヴァイラーという町で受けたあの衝撃を、なんとか由布院の町の人たちにも伝えようと、わけのわからぬ、子供らしいあがきをはじめたのは事実だった。それは今でも続いている。

あの日、グラウヴォルさんは私たちに熱く語ってくれた。

『町にとって最も大切なものは、緑と、空間、そして静けさだ。

その大切なものを創り、育て、守るために、君たちはどれほどの努力をしているのか?君は?君は?君は?』

 グラテヴォルさんは、私たち三人を、ひとりずつ指さして詰問するように言った。私たち三人は顔が真っ赤になってしまった」

 このグラウヴォルさんの詰問が、三人を奮い立たせた。

 七年後、志出、中谷、溝口の三人は、湯布院の町長を先頭に、約二十人の仲間とともにドイツを再び訪れた。病床の身ながらも、グラテヴォルさんは待っていてくれた。三人が多くの人たちを連れて再びやってきたことに、グラテヴォルさんは大変喜んでくれた。

 その時のグラウヴォルさんの話を、中谷はこれまた感動的に書いている。

「君たちは約束を守った。君たちは長い道を歩き始めた。

世界中どこの町でも、何人かの人が、あるいは何十人、何百人かの、決して多くはない人たちが同じ道を歩いている。

ひとりでも多くの人が、よその町を見ることが大切だ。そして、その町をつくり、営んでいる『まじめな魂』に出会うことが必要だ」

 グラテヴォルさんとの出会いについては、溝口も機会がある度によく話をする。

「まちづくりは、ひとりでやっていては孤立する。

 最低でも、三人は必要だ。

 まちづくりは、大勢の仲間で進めることが大切だ

と、私たちはグラテヴォルさんから教わった」。






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最終更新日  2014年05月18日 05時23分03秒
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