12352564 ランダム
 ホーム | 日記 | プロフィール 【フォローする】 【ログイン】

GAIA

GAIA

【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! --/--
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x
全て | 報徳記&二宮翁夜話 | 二宮尊徳先生故地&観音巡礼 | イマジン | ネイチャー | マザー・テレサとマハトマ・ガンジーの世界 | 宮澤賢治の世界 | 五日市剛・今野華都子さんの世界 | 和歌・俳句&道歌選 | パワーか、フォースか | 木谷ポルソッタ倶楽部ほか | 尊徳先生の世界 | 鈴木藤三郎 | 井口丑二 | クロムウェル カーライル著&天路歴程 | 広井勇&八田與一 | イギリス史、ニューイングランド史 | 遠州の報徳運動 | 日本社会の病巣 | 世界人類に真正の文明の実現せんことを | 三國隆志先生の世界 | 満州棄民・シベリア抑留 | 技師鳥居信平著述集 | 資料で読む 技師鳥居信平著述集  | 徳島県技師鳥居信平 | ドラッカー | 結跏趺坐 | 鎌倉殿の13人 | ウクライナ | 徳川家康
2014年09月13日
XML
凡(およ)そ天地間(てんちかん)万国(ばんこく)の興廃(こうはい)も皆然(みなしか)り。夫(そ)れ漢土(かんど)開闢(かいびやく)より幾(いく)千歳(せんさい)の間(あひだ)、人道(じんだう)未(いま)だ立(た)たざる時(とき)に当(あた)りては、猶(なお)我(わ)が国(くに)の上古(じやうこ)の如(ごと)し。伏義(ふうぎ)・神農(しんのう)・黄帝(くわうてい)・堯舜(げうしゆん)生(うま)れ出(い)でしより以来(いらい)、譲道(じやうだう)を以(もつ)て治(おさ)め、海内(かいだい)泰然(たいぜん)として、一民(みん)も其(その)所(ところ)を得(え)ざるものなく、人倫(じんりん)五常(じやう)の道(みち)大(おほい)に行(おこな)はれ、上下(じやうげ)交々(こもごも)譲(ゆづ)り、四民(みん)互(たが)いに譲(ゆづ)り、治(ち)平(へい)の政(せい)万歳(まんさい)に冠(くわん)たり。中古(ちゆうこ)、桀紂(けつちう)・幽●(いうれい)の時(とき)に至(いた)り、国(くに)の衰(すゐ)乱(らん)を生(しやう)じ、万民(ばんみん)塗炭(とたん)の苦(く)に陥り、獣(けもの)相(あひ)食(くら)ふが如(ごと)く、掠奪(りゃくだつ)・争闘(さうとう)・災害(さいがい)・禍(くわ)乱(らん)並(なら)び起(おこ)り、身(み)弑(しい)せられ国(こく)亡(ほろ)ぶ。他(た)なし、奪(うば)つて以(も)つて一人(いちにん)を利(り)せんとするの致(いた)す所(ところ)なり。然(しか)らば則(すなは)ち国家(こくか)の安富(あんふ)・尊(そん)栄(えい)・豊穣(ほうぜう)・治(ち)平(へい)は一の譲(じやう)より起(おこ)り、国家(こくか)の衰廃(すゐはい)・(・)争闘(さうとう)・災害(さいがい)・(・)危(き)亡(ぼう)は一の奪(だつ)より起(おこ)る。瞭然(れうぜん)として見(み)るべし。何(なに)をか疑(うたが)ひ何(なに)をか惑(まど)はんや。蓋(けだ)し人(ひと)の人(ひと)たる所以(ゆゑん)のもの、推譲(すゐじやう)の道(みち)あるが故(ゆゑ)なり。一日(じつ)も推譲(すゐじやう)の道(みち)なくんば何(なに)を以(も)つて禽獣(きんじう)に異(こと)ならん。禽獣(きんじう)虫魚(ちゆうぎよ)は譲道(じやうだう)なし。故(ゆゑ)に開闢(かいびやく)より以来(いらい)、幾(いく)万歳(まんさい)の末(すゑ)に至(いた)るまで、富(ふ)優(いう)安寧(あんねい)を得(う)る能(あた)はず。人(ひと)は万物(ばんぶつ)の長(ちやう)となり、永(なが)く盛富安栄(せいふあんえい)を得(え)て、患害危亡(かんくわんがいきぼう)の憂(うれひ)なきもの、神聖(しんせい)譲道(じやうだう)を立(た)て万世(ばんせい)を安(やす)んじ玉(たま)ふが故(ゆゑ)なり。人(ひと)たるもの、豈(あ)に一日(じつ)も神聖(しんせい)の賜(たま)もの譲道(じやうだう)の、貴(たふと)きを忘(わす)るべけんや。然(しか)して叔(しゆく)世(せい)の人情(にんじやう)、往々(わうわう)奢侈(しやし)を好(この)み、遊惰(いうだ)に流(なが)れ、治乱(ちらん)・盛衰(せいすゐ)・存亡(そんぼう)・禍福(くわふく)・吉凶(きつきよう)・貧富(ひんふ)・栄辱(えいじよく)の数者(すうしや)、譲(じやう)と奪(だっ)との二つにあるを忘(わす)れ、汲々(きうきう)として目前(もくぜん)の利(り)に趨(はし)り、他(た)に奪(うば)ふを以(もつ)て益(えき)となし、譲(ゆづ)るを以(もつ)て損(そん)となし、日々(ひび)に富(ふ)優(いう)を欲(ほっ)して弥々(いよいよ)貧困(ひんこん)を倍(ばい)し、月々(つきづき)に福(ふく)を求(もと)めて、弥々(いよいよ)禍(わざはひ)を招(まね)き、歳々(さいさい)安栄(あんえい)を求(もと)めて、弥々(いよいよ)危(き)亡(ぼう)に陥(おちい)るもの、是(こ)れ猶(な)ほ荑稗(ていはい)を蒔(ま)きて、稲梁(たうりやう)の実(みの)りを待(ま)つが如(ごと)し。弥々(いよいよ)労(らう)して弥々(いよいよ)実(みの)るものは荑稗(ていはい)なり。稲梁(たうりやう)を欲(ほつ)せば、何(なん)ぞ稲梁(たうりやう)を蒔(ま)かざる。富(ふ)優(いう)安栄(あんえい)を欲(ほつ)せば、何(なん)ぞ譲道(じやうだう)を行(おこな)はざる。過(あやま)ちの甚(はなは)だしきにあらずや。凡(およ)そ天下(てんか)国家(こくか)の治乱(ちらん)盛衰(せいすゐ)は譲道(じやうだう)によらざるものなし。それ推譲(すゐじやう)は万物増倍(ばんぶつぞうばい)豊富(ほうふ)の道(みち)なり。掠奪(りやくだつ)は万物(ばんぶつ)減少(げんせう)危亡(きぼう)の道(みち)なり。試(こころ)みに近(ちか)く之(これ)を喩(たと)へん。今(いま)茲(ここ)に米粟(べいぞく)一苞(ぺう)あらんに、直(ただち)に貪(むさぼ)りて之(これ)を食(く)らへば、僅(わづ)かに数日(すうにち)の食(しよく)のみ。一苞(ぺう)尽(つ)くるの後(のち)は復(また)一粒(りふ)の得(う)べきものなく、飢渇(きかつ)死亡(しぼう)の憂(うれひ)を免(まぬが)れず。若(も)し之(これ)を譲(ゆづ)りて、以(もつ)て土中(どちゆう)に蒔(ま)けば、数(すう)十苞(ぺう)となり、又(また)譲(ゆづ)りて蒔(ま)かば、数(すう)百苞(ぺう)となり、歳々(さいさい)此(こ)の如(ごと)く譲(ゆづ)らば、数万(すうまん)の米粟(べいぞく)を生(しやう)ず。又(また)一家(か)の内(うち)、父(ちゝ)たるもの子(こ)に譲(ゆづ)る、之(これ)を慈(じ)と云(い)ひ、子(こ)たるもの父(ちゝ)に譲(ゆづ)る之(これ)を孝(かう)と云(い)ひ、兄(あに)として弟(おとうと)に譲(ゆづ)る、之(これ)を良(りやう)と云(い)ひ、弟(おとうと)として兄(あに)に譲(ゆづ)る、之(これ)を悌(てい)と云(い)ひ、夫(をつと)として婦(つま)に譲(ゆづ)る、之(これ)を義(ぎ)と云(い)ひ、婦(つま)の夫(をつと)に譲(ゆづ)る、之(これ)を聴(ちやう)という。此(こ)の如(ごと)くなれば一家(か)和睦(わぼく)し、財(ざい)優(ゆた)かにして、安居(あんきよ)を得(う)るや必(ひつ)せり。若(も)し一物(ぶつ)の微(び)だも、父子(ふし)互(たがひ)に奪(うば)ひ、兄弟互(たがひ)に奪(うば)い、夫婦(ふうふ)互(たがひ)に奪(うば)わば、忽然(こつぜん)として忿怒(ふんど)怨望(ゑんぼう)起(おこ)り、一家(か)破滅(はめつ)の禍(わざはひ)立(た)つて待(まつ)べきのみ。一家(か)すら猶(なほ)斯(この)の如(ごと)し。況(いはん)や、国(くに)、天下(てんか)に於(お)けるをや。人君(じんくん)自(みづか)ら分(ぶん)を引(ひ)き去(さ)り、有余(いうよ)を生(しやう)じ、之(これ)を譲(ゆづ)り、四民(みん)を恵(めぐ)み、大(おほい)に仁政(じんせい)を下(くだ)さば、誰(たれ)か敢(あへ)て感動(かんどう)せざらん、誰(たれ)か敢(あへ)て悦服(えつぷく)せざらんや。伝(でん)に曰(いは)く、上(かみ)之(これ)を好(この)む者(もの)あれば、下(しも)必(かなら)ず之(これ)に甚(はなはだ)しき者(もの)有(あ)らん。大夫(たいふ)随(したが)つて譲(ゆづ)り、士(し)も亦(また)互(たがひ)に譲(ゆづ)り、庶人(しよじん)争(あらそ)つて譲(ゆづ)る。此(この)時(とき)に当(あた)れば、財(ざい)あるものは財(ざい)を譲(ゆづ)り、米粟(べいぞく)あるものは米粟(べいぞく)を譲(ゆづ)り、或(あるひ)は衣(い)を譲(ゆづ)り、食(しよく)を譲(ゆづ)り、道(みち)を譲(ゆづ)り、田圃(でんほ)を譲(ゆづ)り、家々(いへいへ)譲(ゆづ)らざるなく、人々(ひとびと)譲(ゆづ)らざるものなし。国家(こくか)日々(ひび)に、盛隆(せいりゆう)豊富(ほうふ)菽粟(しゆくぞく)財宝(ざいほう)湧(わ)くが如(ごと)く、民(たみ)安(な)んぞ不仁(ふじん)なるものあらん。五倫(りん)五常(じやう)の道(みち)自(みずか)ら其(その)中(うち)に流(りう)行(かう)す。何(なに)をか憂(うれ)い何(なに)をか求(もと)めんや。伝(でん)に曰(いは)く、一家(か)譲(じやう)ならば一国譲(じやう)に興(おこ)ると。是(こ)の謂(いひ)なり。苟(いやしく)も譲道(じやうだう)を益(えき)なしとして一人(いちにん)奪(うば)ふ時は紛乱(ふんらん)・争奪(そさうだつ)・賊悪(ぞくあく)の行(おこなひ)起(おこ)り、上下(じやうげ)交々(こもごも)奪(うば)い、亡滅(ぼうめつ)数年(すうねん)を待(ま)たず。斯(かく)の如(ごと)きは仁義(じんぎ)五常(じやう)・礼楽(れいがく)刑政(けいせい)の道(みち)、何(いづ)れの処(ところ)に行(おこな)はれ、何(いづ)れの処(ところ)に存(そん)せんや。人道(じんだう)斯(こゝ)に滅(めつ)し、上古(じやうこ)鳥獣(てうじう)の行(おこなひ)に帰(き)する耳(のみ)。故(ゆゑ)に曰(いは)く、五倫(りん)五常(じやう)礼楽(れいがく)刑政(けいせい)も、其(その)本源(ほんげん)一の譲道(じやうだう)にありと。譲道(じやうだう)一たび廃(はい)すれば、国家(こくか)墟(きよ)とならん。又(また)何(なに)をか論(ろん)ぜん。蓋(けだ)し鳥獣(てうじう)は奪(うば)うが故(ゆゑ)に食(しよく)足(た)らず。人道(じんだう)は譲(ゆづ)るが故(ゆゑ)に衣食(いしよく)豊(ゆた)かなり。今(いま)人(ひと)譲道(じやうだう)を棄(す)てゝ(てどう)身(み)の幸福(かうふく)を滅(めつ)し、奪(うば)つて以(もつ)て鳥獣(てうじう)の行(おこなひ)に陥(おちい)るもの、嘆(なげ)くべきの至(いた)りにあらずや。我(われ)幼(えう)より人(ひと)の禽獣(きんじう)に異(こと)なる所以(ゆゑん)は、一の譲道(じやうだう)にあるを察(さつ)せしより以来(いらい)、既(すで)に五十有余(いうよ)年(ねん)、専(もつぱ)ら譲(ゆづ)つて怠(おこた)らず。是(これ)故(ゆゑ)に、或(あるひ)は廃邑(はいいふ)を興(おこ)して、之(これ)を富(と)ましめ、或(あるひ)は衰(すい)国(こく)を再盛(さいせい)して、百姓(ひゃくしよう)を撫育(ぶいく)し、之(これ)を安(やす)んじ、上下(じやうげ)の憂苦(ゆうく)を除(のぞ)きしも、他(た)なし。この譲道(じやうだう)を主(しゆ)として行(おこな)ふが故(ゆゑ)なり。天下(てんか)国家(こくか)の治(ち)平(へい)は譲道(じやうだう)にあり、衰廃(すゐはい)危亡(きぼう)は奪道(だつだう)にあり。開闢(かいびやく)より方今(ほうこん)に至(いた)るまで、斯(かく)の如(ごと)し。後世幾(こうせいいく)万歳(まんさい)と雖も、亦(また)復(また)斯(かく)の如(ごと)し。





お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

最終更新日  2014年09月13日 07時08分20秒



© Rakuten Group, Inc.