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2014年11月22日
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カテゴリ:広井勇&八田與一
札幌農学校の功労者佐藤昌介と新渡戸稲造
岩崎行親が宮部に宛てた手紙に「母校創立五十年記念式に参加のつもりのところ病気で入院。クラーク先生は写真で見ただけであるから、功労者はむしろ佐藤君」とある。(「書簡集からみた宮部金吾」)
佐藤昌介は、安政三年(1856)十一月南部藩士昌蔵の長男として岩手県花巻に生まれた。明治四年(1871)上京し大学南校に入り、後東京英語学校に学んだ。明治九年(1876)札幌農学校第一期生として入学し、クラークに学んだ。明治十三年(1880)同校卒業、開拓使御用掛に奉職、明治十六年(1883)渡米し、ジョン・ポプキンス大学で農政学を研究、「アメリカ土地問題の歴史」で博士号を得た。明治十九年(1886)帰国、二十二歳農学校出身初の教授。札幌農学校・東北帝大農科大学・北海道帝大教授等歴任し昭和十四年(1939)六月五日逝去。八十四歳。
 佐藤昌介は、「イエスを信ずる者の契約」をクラークから託されて保管した。署名を希望する者は佐藤の部屋を訪れて署名した。佐藤はそのつど頭に両手をのべて、英語で祝福を捧げた。
クラークは佐藤に「君の仲間を君の示しうる限りの規範と模範とをもって助けなさい」と教え「『イエスを信ずる者』が進み続けるなら、彼ら皆の心の内によき業を始められた神は、皆の最高の希望をはるかにこえた祝福を与えられ、皆の大切な祖国の繁栄のために栄光に満ちた数々の事業を達成させるようなされることでしょう」と預言した。明治十九年、札幌農学校は廃校の危機にあった。この母校の運命が決しようとするとき、三十一歳の佐藤は米国留学を終え帰朝した。最初の仕事は北海道庁岩村長官に米国の調査復命をする事だった。長官とは初対面だった。『何から復命しましょう』『教育のことを一つ聴かしてくれ』当時北海道の未開の地に札幌農学校のような高等教育機関を置くことは早すぎると議論になっていた。佐藤は岩村長官に言った。『北海道を拓こうとしたら農業を棄てて何がありますか。農事の進歩は近来の学術の進歩にまたなければならない。農業の教育を廃するということは根本を断つようなものです。国費の多少の支出は顧みる必要はない。土地が開け、人民が進み、物産がふえれば、国家が費やした以上のものが上がり国の富は進む。学術に根底を置かないでどうして拓殖の事業が立ちますか』繰り返し話した。日曜の朝に行って昼を馳走になり、午後まで続けた。『よし、その精神でやろう』 岩村長官はそう決心した。『農業だけではいけない。アメリカを観察するに、国を開くには工業の力にまたねばならない。道路を通じ鉄道を敷設し港湾を築かねばならない。農業の教育だけでなく工業の教育を併せて行う必要があります、農工の教育をやるようにしたらよい』と提言し、直ちに容れられた。佐藤は在米の新渡戸と広井の二人を札幌農学校の教授とするために尽力する。  
佐藤の父昌蔵は、新渡戸の養父太田時敏と南部藩の同僚だった。家も隣で、昌介は稲造の祖父伝に大坪流の馬術を習った。東京の住居も近く、昌介と稲造の交友も稲造上京の頃から始まった。佐藤が明治七年東京外国語学校に入学すると稲造も同校で学び寄宿舎に入った。稲造が寄宿舎追放の時、稲造の養父は「君の処に置いてくれ」と佐藤に頼み、佐藤は稲造と下宿屋で共同生活した。佐藤が札幌農学校
に入ると稲造も二期生に応募した。
「イエスを信ずる者の契約」に級友に先立って署名したのも、佐藤が先に署名し洗礼を受けていたことが影響しているように思われる。佐藤は明治十五年八月米国に私費留学する。新渡戸も翌年九月渡米、佐藤の勧めで同じ大学に転校し、佐藤と同じ下宿屋に同宿した。佐藤は、新渡戸の実の兄のように彼を見守り助力し続けたのである。






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最終更新日  2014年11月23日 03時29分44秒
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