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カテゴリ:広井勇&八田與一
戦争廃止の必要
かく言うも人は言いましょう。説明はまことに立派であり、しかし事実はやはり事実である、戦争を今やめることはできない。軍備拡張は列強目下の最大問題である。詩人の夢想は午睡(ひるね)のたすけとなるが、実際問題を解決するに足りないと。 もしそうならばやむを得ません、私どもは沈黙を守りましょう。しかしたとい私どもは黙りまするも神と天然とは黙りません。神の律法(おきて)と天然の法則とは、政治家の評議にかかわらず行われます。「エホバもまた知恵あるべし」と聖書にいるしてあります(イザヤ書三一章二節)、実際問題は実際政治家の評議によって解決されません。彼らは実際いかなる大問題を解決しましたか。彼らは戦争を議決してその後始末に困っているではありませんか。夢想家は詩人ではなくしてかえって彼ら政治家であります。神を知らず、天然を学ばない彼らは、間違いより間違いへと陥りつつあります。 戦争は廃(や)まります、必ず廃まります。これは私ども非戦論者が非戦論を唱うるからではありません。神がこれを命じ、天然がこれを要求しますゆえに、終に必ず廃まります。もし進化の理が今日ただちに無に帰するものならばいざ知らず、宇宙と人類とがその今日まで取り来たりし経路に由りて進みますならば、戦争は終に必ず廃まります。 人類が進むにしたがって戦争の害はますます増してその益は益々減じて来ます、したがって戦争は勝つも負けるも大なる損害たるにいたります。戦争はその代価を償わずその目的に達せざるにいたります。そうしてその時にいたれば国民はいやでも戦争を廃めます。そうしてかかる時は時々刻々と近づきつつあります。列強目下の軍備増大のごときも、かかる時機の到来を示すの外ありません。列強は今や餓死するか戦争するかの境に達しつつあります。戦えば敵の手にたおれ、戦わざれば債主の手にたおれんとしつつあります。ここにおいてか国民は生きんと欲すれば戦争を廃むるより外に手段の無き域に達しつつあります。そうして国民に生存欲の絶えざる限りは、彼らは余儀なくせられて戦争をやめます。 かかる場合に臨んで最も慧(かしこ)き国民は最も早く戦争を止める国民であります。そうして最も愚かなる国民は最後まで戦争とその準備とを継続する国民で」あります。国力を益なき戦争のために消費しつくして、彼らはまさに開けんとする平和的競争裡(り)に入って、憐れなる敗北を取らざるを得ません。獅子や虎のごとくに勢力の大部分を牙や爪に消費せずして、哲学者や慈善家のごとくに、これを脳と心とにたくわえおかなければなりません。これをなさずして目下の勢いに駆られ、万事を犠牲に供して戦争の準備をなすがごとき、これを愚の極といわざるを得ません。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2014年11月23日 15時32分08秒
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