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2015年04月23日
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カテゴリ:広井勇&八田與一

新渡戸稲造の「武士道」をボーイズ・ビー・アンビシャスシリーズで取り上げるべく、関連する図書を読んでいるが、

どうにも今一つまとまらない。

『李登輝 「武士道」解題』で驚いたことの一つは、カーライルの「衣装哲学」を原文の英語で読んだという記述である。

新渡戸を理解するのに必読の書が二つあり、

一つは『衣装哲学』、もう一つは『トム・ブラウンの学校生活』であろうか。

「私(李登輝)には、新渡戸稲造先生との出会いの前にも、既に多くの先哲との出会いがあったわけで、いきなり『武士道』にたどり着いたのではありません。・・・19世紀イギリスの大思想家であるトマス・カーライルの『衣装哲学』(サーター・リサータス)との出会いが非常に大きかったと思います。」

「トマス・カーライル(1795-1881)は、イギリスの評論家、歴史家として有名です。
1795年12月4日に、スコットランドのダンフリーズシャーの石工(いしく)の息子として生まれました。
母から読み書きを、父から算数を学んだのち、村の小学校に入学しましたが、7歳にして完璧な英語力を身につけ、ラテン語まで学び始めたという神童でした。激しい気性のためしばしば問題を起こしましたが、幼くして豊かな学才を示した彼は、1809年、15歳のときにエジンバラ大学しました。
大学卒業後は、しばらく学校の先生をしていましたが、その傍ら次第に文学を志すようになり、『ロンドン・マガジン』に連載した『シラー伝』(1825年)が出版されるに及んで、ドイツ・ロマン派の紹介者としての地位を確立しました。
1826年、スコットランド出身の女性ジェーン・ウェルシュと結婚。この女性が優れた書簡の書き手であったことから、この二人の恋文はのちに『Tカーライルとジェーン・ウェルシュの恋愛書簡』2巻となって残されました。
(略)

私が旧制高校時代に非常に感動した『衣装哲学』という作品は、数あるトマス・カーライルの著作の中でも白眉ともいうべきもので、実に深遠な人生哲学を含んでいます。
(略)
全体は三巻に分かれており、
「衣装哲学」は
「宇宙のあらゆる象徴、形式、制度はしょせん一時的衣装にすぎず、動かぬ本質はそのなかに隠れている」
ということを多面的に例証したものです。

第二巻の小説的部分は、実はカーライル自身の精神的自叙伝であり、なかでも美しい文体でロマン主義的な「魂の苦悩」とその超克を語った「永遠の否定」と「無関心の中心」と「永遠の肯定」の3章は特に有名です。




わたしもまた、今や自分に向かって言うことができた。

生産せよ。生産せよ。

それが何かの産物のごくつまらない極小の部分に過ぎなくても、神の名にかけて生産することだ。

それが君が君の中に持っている最大限のものである。

それじゃ、それを作り出すことだ。

立ち上がれ、立ち上がれ。

君の手でやれると思うものはなんでも、全力をあげてなすことだ。

今日と言われているうちに、働きたまえ。

誰も働けない夜がやってくる。




“I too could now say to myself: Be no longer a Chaos, but a World, or even Worldkin.
Produce! Produce! Were it but the pitifullest infinitesimal fraction of a Product, produce it, in God’s name! ’Tis the utmost thou hast in thee: out with it, then.
Up, up! Whatsoever thy hand findeth to do, do it with thy whole might.
Work while it is called To-day; for the Night cometh, wherein no man can work.”


李登輝氏は旧制の台北高校で英語で読まされた。

当時の旧制高校のレベルや恐るべしである。

「ある日、台北市内のいちばん大きな公立図書館で万巻の書を渉猟しているとき、

本当に偶然としか言いようがないのですが、出合ったのです。

かつて台湾総督府の農業指導担当の技官として台湾の製糖業などの発展に大きな働きをしていた新渡戸稲造という方が、

毎年、夏の軽井沢に台湾の製糖業に関係していた若き俊秀たちを集めて特別ゼミナールを開いていたことがあり、

その中心教材としてカーライルの「サーター・リサータス」を取り上げていたという事実を知ったのです。

ほとんど黄色く変色しかけたその『講義録』を手にしたとき、私は思わず飛び上がって喜びました、

そして何度も何度も読み返しているうちに、

「永遠の否定」が「永遠の肯定」へと昇華してゆく過程が次第に明確に理解できるようになり、

いまさらながらのように新渡戸稲造という日本人の偉大さに心酔するようになりました。

 その結果、遂にめぐりあったのが、数ある新渡戸先生の著作の中でも特に国際的にも大きな評価を得ている『武士道』だったのです。」(p.65)





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最終更新日  2015年04月23日 19時38分36秒
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