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2019年11月27日
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カテゴリ:日本社会の病巣
「もう図書館で働けない」 非正規雇用で10年働いた司書が天職を辞めようと思った理由
8/14(水)

「仕事は本当に好きで天職だと思う。でも食べていけない」。ある図書館の司書の女性(ツイッター名「よるこ」さん)が投稿したツイートが波紋を広げている。女性は大学を卒業後、3つの図書館で合わせて10年以上、働いてきた。しかし、待遇はすべて非正規雇用。給与は正規職員の半分に及ばず、金銭的な困窮から「これ以上働くことは無理」と転職を決意した。

今、公立図書館で働く職員のうち、約7割が非正規雇用という。日本図書館協会の統計によると、1998年に約8千人だった非正規職員は、2018年には約3万人にまで増えている。1998年当時は全体の5割以下だったにも関わらず、この20年間で激増しているのだ。

背景には、自治体の財政難がある。厳しい財政で人件費を削りたい自治体は、次々と職員の非正規雇用化を進めてきた。その結果、図書館の現場では今、何が起きているのか。そして、これから何が起きると予想されるのか。図書館の司書では「食べていけない」とツイートした女性に話を聞いた。(弁護士ドットコムニュース編集部・猪谷千香)

「私気づいたら10年以上司書やってんだな。
大学卒業後、非正規だけど憧れの図書館で働いて、そこから3つの図書館で働いてきた。今年度で3館目の契約が満期になる。
真剣にこの先の人生を考えるともう図書館で働くのは終わりにしないといけない。
仕事は本当に好きで天職だと思う。でも食べていけない」

子どもの頃から、司書になるのが夢で、中学卒業の時に書いた「将来の夢」も司書だった。本格的に司書になろうと決心したのは、大学生の時。アルバイトである公共図書館のカウンター業務を経験、やりがいを感じて図書館で働きたいと思うようになったという。

大学で司書資格を取り、卒業後はまず大学図書館で契約職員として働き始めた。その後、自治体の公立図書館の司書となり、レファレンスや児童サービスなどの仕事を任され、充実した経験を積めたが、やはり立場は非正規のままだった。この図書館では「雇用年限なし」と言われていたが、自治体直営から指定管理者が導入されることになり、辞職を余儀なくされた。

「私は図書館が好きで、司書の仕事に誇りを持っています。それは公立図書館のレファレンス担当として、毎日図書館を必要としてくれる利用者と対話していた経験が大きいです。図書館を必要としてくれる人がいる、情報を求めている人たちが来てくれている、という事実は、何よりも励みになりましたし、自分の仕事に対する誇りにもなりました。
もっと利用者の役に立つ仕事がしたいと、休日に他の図書館を見学したり、有休を使って研修や講習会へ参加してきたのも、司書の仕事が好きだからです。自分の利益関係なく、ここまで情熱を傾けられる職はやはり『天職』ではないかと思います」

「退職しようと思ったきっかけは、今年度で現在の勤め先の契約期限が切れるにあたり、自分の現状を見直した結果、これ以上は無理だと判断したためです。
これから歳を重ねる中で数年ごとに転職を繰り返し、毎回職が見つかるのか。貯金がほとんどできない現状で病気になったらどうするのか。この働き方、給与で自分のライフプランが立てられるのか。
そうしたことを考えた結果、全てが『否』であり、転職しようと決意しました。特に私は一人暮らしなので、余計に金銭的困窮が身に染みたのだと思います」

「あと何年でおしまいだとわかっている仕事に自身の全力を注ぎ続けることは難しいですし、次の仕事が見つかる保証がないため、期限近くなるとモチベーションの下がる方が多いです。また、館によっては指定管理への移行などで契約更新を切られることもあります。とにかく雇用が不安定で安定しません。
業務内容に見合った待遇が受けられない点も大きいと思います。地域格差が大きいため一概に言えませんが、月給16~18万程度が多く、時給設定のところも多いです。もちろん賞与や退職金はありません。
その待遇で専門性を求められたり、正規職員と変わらない業務を課されたり、酷いところだと正規職員より専門性の高い業務を振られたりします。また、非正規が非正規を教育する体制になっている館もあり、責任の大きさに見合わない、割に合わないと感じた人が次々に離職し、人員不足に陥っている図書館もあります」

「正規職員への登用は、求人数が圧倒的に少ない現状では難しいと思います。特に自治体では、採用試験の受験資格に年齢を設けているところが多く、どんなにキャリアを積んでも年齢が対象外だと受験できません。近年は即戦力として社会人採用枠を設けているところもありますが、まだまだ少ないようです」

「非正規で働くことは、給与の問題だけでなく、健康にもよくありません。いくら頑張っても評価されず正規職員になれない、自身の努力の結果を正規職員の手柄にされる、数年毎に来る契約期限の度に転職について考えなくてはならない。他にも館によっては給与に見合わない量の業務を課せられたり、急に契約が打ち切られたり、先輩職員が相次いで退職したりします。
このような状況下では心身ともに不健康になります。特に心の病は一度かかってしまうと簡単には治せません。好きな仕事に就きたい、その気持ちは苦しいほどよくわかります。ですが、経験者として、初めての就職で非正規司書に足を踏み入れるのは止めたほうがいいと断言できます。その後の転職が大変です。どうか若い方たちはよくよく考えて、道を選ぶのをおすすめします」





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最終更新日  2019年11月27日 18時58分03秒
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