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カテゴリ:ネイチャー
直言 ~生命いのちだけは平等だ~
鈴木 隆夫 エドガー・アラン・ポーの短編に『赤死病(せきしびょう)の仮面』という作品があります。赤死病という、ひとたび罹かかると30分も経たないうちに体中から出血し、死に至る恐ろしい疫病が国に蔓延していました。国王は臣下や友人1000人と城塞(じょうさい)の奥に閉じこもり、厳重に通路を封じました。疫病から目を背け、饗宴(きょうえん)にふけっていたある日、仮面舞踏会に、まるで赤死病を装ったかのような仮面の男が紛れていました。その男を捕まえ、仮面を剝(はい)だのですが、中身は空虚。それは人を装った疫病そのものでした。城塞の奥にも病は入り込み、最後のひとりまで命絶えました。 どんなに厳重に封鎖しても紛れ込んでくる見えない感染症の恐怖と不気味さが表現されています。14世紀に流行したペスト(黒死病)がモチーフで、当時、世界人口4億5000万人中、推計1億人が亡くなったと言われ、英国やイタリアでは人口の8割が死亡し、全滅状態になった町や村もありました。 「恐怖」は心のなかにいつも潜んでいるのです。しかし、いかに自分たちだけが安全であろうとあがいても、舞踏会に紛れ込んだ赤死病の仮面のように防ぎようがないのです。 ならば最悪の事態に備え、お互いに協力する筋書きを用意するしかありません。軽・中等症程度の感染症患者さんを受け入れる病院、感染者で埋まった病床からあふれた他の疾病患者さんを受け入れる病院など、その役割に応じて協力し合うことが必要です。 感染爆発の重大な局面――そこにあって今できる最大の備えを国や地方自治体、医師会、地域社会とともに、「医療は患者さんのため」という気持ちをひとつに、皆で頑張りましょう。 黒澤明監督がエドガー・アラン・ポーの短編『赤死病の仮面』を黒澤が独自に書き換えて、ロシアを舞台に映画化を目論んでいた作品の制作ノート。 昔も今も変わらぬ、人間の愚劣と醜悪に対する痛烈な諷刺を根太く。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2020年04月17日 02時36分55秒
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