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2021年07月17日
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二宮翁逸話

19 報徳の難関

小田原の藩士三幣弾正かって
「報徳のむづかしき所はどのあたりにあるか」と尋ねたところが、
翁答えて
「誰でも苦しい時はいかなることでもよく守るが、少しく楽になるとたちまち怠る。
報徳ではここが一番難関である。」
と言われたということである。
これについて思い合わすことは報徳の仕法を実行する者に2種類ある。
一はあまり貧困でもなく、どうやら食うていけるような人が報徳をやると、10に8,9までは本当の報徳が実行されないようである。
これに反して極貧にして進退窮まるような人が報徳をやると、まじめに承けて全力をこれに傾注するものと見えて成功する者が多い。
これは余(留岡幸助)が長い間実地に報徳の行われている地方を調べて発見したる事実である。
ゆえに報徳を実行せんとするものはこの辺に深き注意を払わなくてはなるまい。

自然、雲の画像のようです
☆東京学芸大学学長語録より
(下村湖人の『次郎物語』第五部で)
最後に友愛塾の塾生たちは、全国に散らばった同志たちを行脚する旅に出る。
第1回修了塾生のいる静岡県の初倉村をまず訪ねて、交流を持つ。
次いで清水の杉山部落を訪れる。
乞食部落といわれた山間の小部落を報徳思想で立て直した所で、塾生たちは、
「めいめいに自分たちの村の貧しい光景を心に思いうかべながら、この富裕な部落をあちこちと見て歩いた」。
  現在、静岡県の理念は「富国有徳・創知協働」である。
この考え方は、現静岡県知事の石川嘉延さんが二宮尊徳の報徳思想から取り入れたものである。
人間にも自然にも徳があるという見方は、新鮮である。
自然の徳を引き出して、人は米や麦を作る、その徳に徳で以て応えよ、というのである。
勤労を重んじ、家の経済を建て直し、推譲によって社会に貢献する。
経済と道徳の一致を説き、「道徳のない経済は犯罪である。経済のない道徳は寝言である」という。現代を撃つ考え方ではないか。
  戦後60年が過ぎた。アメリカ流の自由競争社会に追従した日本は、市場原理の個別化の論理が貫徹し、アメリカ社会同様に、弁護士とカウンセラーだけが繁盛する堕落社会になりつつある。
私たちは新しい人と人との結びつきをどう創るのかという、大きな課題に直面している。
 その際、地域社会での人間形成という観点は、極めて重要である。
最近たまたま郷里の掛川市の佐束小学校創立130周年記念の式典に出席する機会があった。
石川嘉延さんの母校で、知事と生徒たちとの対話集会もあった。
「子どもの頃のいたずらのこと、食糧不足でかえるを食べたこと、野いちごを取り椎の実を食べたが、食べ頃の見極めがむつかしいこと、スイカやミカンを失敬して叱られたこと、山羊を飼って乳しぼりが仕事で、それで家族の健康を支えたこと、祭りの太鼓の音が風に乗って聞こえてくると、学校の勉強が手につかなかったこと」、等々、豊かな子ども時代の体験や、学びと知恵と工夫が語られた。「青々とした水田を渡ってくる透明な風の心地よさ」や、「季節になると茶工場から流れるぷーんと匂う茶の香りの思い出」など、それらが総体となって、人格や美意識の形成、伝統文化への感覚が育まれていく様がよく判るお話だった。
郷里は、「エネルギーの供給の場であり、50年以上見てきて、日本の生活の変化の定点観測の場である」といっておられたが、こうした自然体験、社会体験、文化体験、歴史体験をたっぷり出来る人間形成の場が、今日こそ求められているのだ。それを実現するのは、「地域」の思想であろう。
 下村湖人は「地域共同社会の理想化に挺身する中堅人物の養成」を塾の目的とした。
まさに現在最も求められる方向である。





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最終更新日  2021年07月17日 01時25分57秒



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