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カテゴリ:武
居合に片手で刀を大きく振り下ろす「介錯」という業がある。振り下ろした刀は空いている手で柄の部分をパッと止める。(様に見える(笑))
数日前にクラスで練習をしていると皆この部分で引っかかっている。 殆どの生徒は振り手を力任せに止めようとして痛い目にあってる。 刀はあの長さの刃物では比較的軽いがそれでも振ればそれだけ勢いも付く。その勢いを腕の小さな筋肉で止めようとすれば、どれだけ鍛えたって無理。 例えばバットを片手で振ってそれを途中で止めようとするのと同じ。手首の動きを制御する筋肉でそんなもの止めようとしたら筋を伸ばすか、最悪ちぎってしまう。 で、残りの生徒は反対に空いている手で柄を止めようとして、またコチラも痛い目にあってる。腕の小さな筋肉で止められない運動量を空いている手のひらで受け止めるなんてのも無理なのだから当然。柄を手の平にぶち当て下手をすれば骨を折りかねない。 怪我人が出る前に一応ストップ。 何故出来ないか理由は簡単なのだ。 皆「腕」を使って刀を振っている。つまり刀を加速させる為に腕/肩の筋肉を使っているのだ。だから止めようとする時、また腕の筋肉を使わなければならない。 そう言っても彼らには解らないので一応実演。 最初は腕で振る。 一応止めようとはしたが、無理。腕の筋が逝く前に刀をそのまま動かし続け運動量を後方へ逃がす。どうにか止まるが自分の上半身は完全に崩れてしまっている。 次、刀を大きく振りかぶり、そして振り下ろす。すると今度は刀は斬り終わった時点でピタリと止まる。空いている手は一切使っていない、そして自分の姿勢はまったく崩れていない。 見るだけでその差が解った生徒が数人いた。それが出来るかどうかは別としても何が起こっているのかは理解したらしい。 種明かしは簡単で、自分は腕や肩に力を一切入れていないだけなのだ。刀と腕は身体に繋がっているだけ。そして身体が動き、その動きに合って刀が動く。だから身体が止まれば刀は必然的に止まる。 それだけの事。 。。。なのだが、実際にやるのは難しい。 事実自分も出来る様になるのまでかなり時間が掛かった。これは力任せに刀を振る癖を「捨てる」事が出来るまで全く身に着かない業だから。刀を腕力で制御しようと練習している筋肉馬鹿(笑)の生徒数人は昔の自分の様に暫く苦労をする事になるだろう(笑)。 。。。実はこの業をきっかけに「殻」を満たすとはどういう事なのかを「知る」事になった。 なぜならこの業を正しく行うと、身体を通じて振り出し、遠心力で増加され、刀に集中された力量が身体が止まると同時に「増加された力量」そのままに中心に戻ってくるから。 つまり、その動きは「力」を中心に「溜める」のだ。 これは身体の動きを筋肉が邪魔をしていないからだと思う。 逆に言えば、身体を動かしている時に身体の中心以外、例えそれが何処であっても、そして例えそれがどんなに少しであっても、力んで動きを止めたり、動作を変更している場合、自分は「殻」を真に満たす動きはしていないのだ。 これに気付いてから全てに置いて自分の動きというのを見直してみた。そうするとやはり刀を使っている時が一番この感覚を得やすい事を再発見。拳法でもエスクリマでも同じだが、やはり刀が一番。 暫くこの感覚を楽しみながら遊ぶ事になりそうだ。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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