観空

家を購入した年：
芝の世話を行わない。⇛　前家主の過保護に慣れた芝はガンガン枯れる。地面が現れる。


二年目：
妻の両親が口を挟んでくるので、とりあえず種を撒き、スプリンクラー購入、肥料やら何やらを使う。⇛　庭、良くなる。。。が、肥料目当てに雑草が入り込み、さらに購入した芝を好む害虫にヤラれ、地面が現れる。


三年目：
冬の間の路面凍結防止用の塩で更に芝が枯れる。庭の８割が土。
「へっへ～、俺らならあんたの庭を緑にできるぜぇ？」という類の広告がバンバン郵便受けに入れられるようになる。義母が五月蝿いので仕方なく去年と同じ対策を施し、手間をかけるが、似たような結果にしかならず。変化無し。


周りの人は全て「芝はかなりの手間と金を毎年かけないと駄目なんだよ～」と見下げてくる



四年目：
種まきも、スプリンクラーも、肥料も、害虫対策も＿当初の計画通り＿全て停止。　芝刈りも完全に止める。　芝が伸びに伸びて膝まで届く。＋むき出しの地面（８割）でかなり醜い状態になる。近所の人達の話題に昇る。義母の言葉は無視。妻には何をするか説明済み。
「へっへ～（略）」からの広告物が倍増。


五年目：
前年と同じ。極力芝刈りを行わない。手入れを完全に放棄。市の管理部から「おめぇの家、庭が空き家っぽいから直ぐ直せ、でなきゃ罰金な」という手紙が届く。担当者に電話。「カクカクシカジカ」と説明すると向こう側は大爆笑。話の判る人で助かる。処分無し。近所の人間が「見てくれが悪いなんとかさせろ！」と市に電話を入れた事も判る。
「へ（略）」の広告物が大量に。近辺の全ての業者が我が家の庭を狙っている模様。


六年目：
変化現れる。庭が７割程芝生になる。最初の２ヶ月芝刈りを停止。そしてその後から定期的な芝刈り開始。相変わらずソレ以外の手間は掛けず。
「（略）」の広告物は相変わらず。

今年：

シーズン中数週間雨がふらず乾季状態になった時、少しだけ黄色に変色。近所の人達は毎日スプリンクラーを使っているが、私は何もせず。雑草が生え出すが、気にしない。　そして数週間ぶりに雨が一日降ったその翌日、芝生は完全に回復。生え始めていた雑草が一気に死に絶える、壮絶な化学兵器攻防があった模様。同様の理由だろう、害虫無し。
「（略）」の広告物数＝ゼロ。

近所の人達含め、訪れる人が全て「どの業者を使えばこんな綺麗な芝生になるのか？」と聞きに来る。



「業者は入れてません」と正直に話すが信じる人は居ない。





今日も私が「何もしない／徹底的に放置する」事で生まれた庭は美しく、真っ青である。